2014年12月5日、深在性真菌症治療薬ボリコナゾールドライシロップ製剤(商品名ブイフェンドドライシロップ2800mg)が発売された。同一成分としては、既に2005年6月より内服製剤(錠剤)、注射製剤(静注)が臨床使用されている。

 ボリコナゾールは、アゾール系抗真菌薬フルコナゾール(商品名ジフルカン他)の優れた特徴を有しつつ、より広範囲の抗真菌スペクトルを示す薬剤である。具体的には、フルコナゾールに低感受性あるいは非感受性とされるC. glabrata、C. kruseiを含むカンジダ属に対して優れた抗真菌活性を持ち、アスペルギルス属、クリプトコックス属、フサリウム属、スケドスポリウム属まで抗真菌スペクトルを拡大している。

 アゾール系抗真菌薬は、真菌細胞において、膜成分のエルゴステロールの生合成に必須の酵素である真菌チトクロムP450依存14-α-ステロールデメチラーゼを阻害することで、抗真菌作用を発揮するとされている。アゾール系抗真菌薬の中でもボリコナゾールは、経口投与時の消化管吸収性が良好でバイオアベイラビリティが高い(約96%)ため、静脈内投与と経口投与との切り替え(スイッチ療法)も可能であることなどから、成人における重症または難治性深在性真菌症に広く臨床使用されている。

 一方、国内の小児患者においては使用可能な抗真菌薬の選択肢が限られていることから、ボリコナゾールに対して2010年4月「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」にて高い評価を受け、2014年9月小児適応の承認を受けた。

 小児適応の承認により2歳以上の小児には用量を体重あたりで調節する必要があり、また低年齢児においては既存の錠剤の服用は困難であることが予想されたため、今回の新しい剤形であるドライシロップ製剤が開発された。

 成人の承認時(既存の製剤)における国内臨床試験では、副作用(臨床検査値異常を含む)が80.0%に認められている。主な副作用は、羞明(25.0%)、視覚障害(24.0%)、γ-GTP増加(11.0%)などであり、重大な副作用としてはショック、アナフィラキシー、肝障害などが報告されている。