2014年11月28日、持続型G-CSF製剤ペグフィルグラスチム(商品名ジーラスタ皮下注3.6mg)が発売された。本薬は9月26日に製造販売が承認され、11月25日に薬価収載されている。適応は「がん化学療法による発熱性好中球減少症の発症抑制」であり、がん化学療法剤投与終了後の翌日以降、3.6mgを化学療法1サイクルあたり1回皮下投与する。

 がん化学療法における抗がん剤の多くは、標的腫瘍細胞だけでなく骨髄などの正常細胞にも作用するため、多くの患者で好中球減少症が発現する。発熱を伴う好中球減少症は発熱性好中球減少症(FN)と呼ばれ、感染リスクが高まり、時に生命の危険に陥ることがある。このことから、がん化学療法の施行に伴い好中球減少のリスクがある場合には、FNの発症を抑制する顆粒球コロニー形成刺激因子(G-CSF)製剤の予防投与が推奨されている。

 G-CSFは、好中球の分化増殖を促進する分子量約2万の蛋白質である。主なG-CSF製剤としては、フィルグラスチム(商品名グラン)などがあり、がん化学療法後の好中球減少症を中心とする各種の好中球減少症の治療および造血幹細胞の末梢血中への動員に対して広く臨床使用されている。

 しかし国内で承認されているこれまでのG-CSF製剤は、がんの種類によって適応が異なり、多くのがんではFNに対する予防投与が認められていない。さらに血中半減期が短いことから、好中球数が回復するまで連日投与が必要となり、患者負担が大きいことが臨床現場で問題となっていた。

 今回発売されたペグフィルグラスチムは、既存のフィルグラスチム(分子量約1万9000)のN末端に水溶性高分子のポリエチレングリコール(PEG)1分子(分子量約2万)を共有結合した修飾蛋白質である。PEG化によって、プロテアーゼによる分解を抑制するとともに、腎臓でのクリアランスを低下させ体外への排泄を減少させることで、血中半減期を延長させている。

 海外では2002年1月に米国で承認されたのをはじめとして、2014年3月現在、世界107カ国で承認されている。国内では、第3相試験にて既存薬のフィルグラスチムに対する非劣性、プラセボ群に対する優越性、および高齢患者に対する有用性がフィルグラスチムと同程度であることが確認されている。

 国内臨床試験から副作用(臨床検査値異常を含む)が75.0%に認められている。主な副作用はLDH上昇(25.6%)、背部痛(19.1%)、発熱(14.4%)、関節痛(14.2%)、倦怠感(10.3%)などであり、重大な副作用としてはショック、アナフィラキシー、間質性肺疾患、急性呼吸窮迫症候群、芽球の増加、脾腫・脾破裂、毛細血管漏出症候群、Sweet症候群、皮膚血管炎が報告されている。