2014年11月25日、抗ウイルス薬バニプレビル(商品名バニヘップカプセル150mg)が発売された。適応は「セログループ1(ジェノタイプI[1a]またはII[1b])のC型慢性肝炎における(1)血中HCV RNA量が高値の未治療患者、もしくは(2)インターフェロンを含む治療法で無効または再燃となった患者、のウイルス血症の改善」であり、1回300mgを1日2回、12週間(インターフェロンの治療で無効となった患者には24週間)経口投与する。なお本薬は、ペグインターフェロン アルファ-2b(遺伝子組換え)およびリバビリンと併用する。

 C型肝炎ウイルスHCV)に感染している患者数は、世界で約1億7000万人、日本では約150〜200万人と推定されている。日本ではHCV感染のうち、約70%が既存の治療法では効果が得られにくいジェノタイプ1bであることが判明している。

 現在、日本におけるウイルス排除を目的としたC型慢性肝炎治療は、ペグインターフェロン(PegIFN)などのインターフェロン(IFN)製剤、リバビリン製剤、シメプレビル(商品名ソブリアード)などのプロテアーゼ阻害薬の3剤併用療法が第1選択となっている。これらの治療でHCVのRNA陰性化率は向上しているものの、副作用の発現や効果が限定的な患者が存在することが大きな問題となっていた。

 バニプレビルは、HCVに対して抗ウイルス作用を有する非構造蛋白3/4A(NS3/4A)プロテアーゼ阻害薬である。HCVの複製に必須の多機能蛋白であるNS3/4Aプロテアーゼ上で、基質の結合を競合的に阻害することで抗ウイルス作用を発揮する。

 NS3/4Aプロテアーゼ阻害薬としては、テラプレビル(商品名テラビック)、シメプレビル、2014年9月に発売されたアスナプレビル(商品名スンベプラ)に次ぎ4番目となる薬剤である。PegIFN、リバビリンを併用した国内第3相臨床試験(対象:日本人のC型慢性肝炎患者でIFNなどの治療歴がない患者、IFNなどの治療で再燃または無効だった患者)で、有効性および安全性が確認されている。

 国内第3相臨床試験(PegIFN、リバビリン併用)で99.7%に副作用が認められている。主な副作用は発熱(73.3%)、好中球減少(50.7%)、頭痛(44.1%)などであり、重大な副作用としては血液障害、貧血、ヘモグロビン減少、うつ病などが報告されている。