2014年9月26日、抗悪性腫瘍薬アレムツズマブ(商品名マブキャンパス点滴静注30mg)の製造販売が承認された。適応は「再発または難治性の慢性リンパ性白血病」で、1日1回3mgの連日点滴静注から開始し、1日1回10mgを連日点滴静注した後、1日1回30mgを週3回隔日に点滴静注する。ただし投与期間は、投与開始から12週間までとなっている。

 慢性リンパ性白血病(CLL)は、成熟した小型Bリンパ球が末梢血、骨髄、リンパ節、脾臓などで増殖する、発症原因不明の悪性腫瘍である。欧米では最も頻度の高い白血病であるが、日本では稀な疾患で患者数は約2000人(厚労省2008年統計)と推定されている。

 CLLは完治が困難な疾患であることから、主に症状の改善、生存期間の延長を目的とした治療が従来から行われている。日本ではアルキル化薬のシクロホスファミド(商品名エンドキサン)が経口投与で使用され、さらにドキソルビシン(商品名アドリアシン他)やビンクリスチン(商品名オンコビン)などを併用する場合もある。

 2007年7月には核酸合成阻害薬フルダラビン(商品名フルダラ)が、2013年5月にはCD20分子のエピトープ(抗原決定基)を特異的に認識するヒト型IgG1κモノクローナル抗体のオファツムマブ(商品名アーゼラ)が使用されるようになり、CLLの治療成績は飛躍的に向上している。

 マブキャンパスは、CD52抗原に結合するヒト化モノクローナル抗体である。CLL患者のリンパ球およびその他の免疫細胞上に発現する糖タンパク質CD52抗原に結合し、抗体依存性細胞傷害活性および補体依存性細胞傷害活性を介して細胞溶解を引き起こし、抗腫瘍効果を発揮すると考えられている。

 再発または難治性のCLL患者を対象とした国内第1相試験や、フルダラビンに抵抗性でアルキル化薬治療歴がある、もしくはプリンアナログでの治療歴があるCLL患者を対象とした海外第2相試験において、単剤での有効性と安全性が認められている。

 海外では、CLLに関する適応で2001年5月に米国で承認された後、多発性硬化症の適応で改めて開発され、発売されている。そのため2014年5月現在、CLLに関する適応では世界3カ国で承認されているが、正式な販売は行われていない。

 海外の臨床試験では99.2%に副作用が認められている。主な副作用は悪寒(86.2%)、発熱(74.8%)、悪心(48.0%)、嘔吐(32.5%)などであり、重大な副作用は顆粒球減少症、無顆粒球症、単球減少、汎血球減少、好中球減少、白血球減少、血小板減少、貧血、骨髄機能不全、infusion reaction、感染症、免疫障害、腫瘍崩壊症候群、心障害、出血、進行性多巣性白質脳症(PML)、B型肝炎ウイルスによる劇症肝炎、肝炎の増悪が報告されている。