2014年9月26日、エチレングリコールメタノール中毒用薬ホメピゾール(商品名ホメピゾール点滴静注1.5g)の製造販売が承認された。エチレングリコール中毒またはメタノール中毒の患者に、初回は15mg/kg、2回目から5回目は10mg/kg、6回目以降は15mg/kgを12時間ごとに30分間以上かけて点滴静注する。血液透析を併用する場合は、別に定められたスケジュールに従い投与する。

 一般家庭でも使用されている保冷剤の多くは、高分子凝集剤が主成分であるが、エチレングリコールやメタノールが含まれていることが少なくない。これらの誤飲による報告は少なく、大量の誤飲でない限り対症療法で対処可能とされている。しかし、大量に誤飲してエチレングリコール中毒やメタノール中毒に至った場合には、確立された治療法がないのが現状であった。

 エチレングリコール中毒およびメタノール中毒は、これらの摂取により体内で生じた代謝物が、代謝性アシドーシスを引き起こすことで発症する。適切な診断・治療が行われなければ腎不全、失明など重篤な後遺症が生じたり、死に至ることもある。日本では、年間数名から数十名程度の患者がいると推定されている。

 ホメピゾールは、エチレングリコールやメタノールの代謝酵素であるアルコール脱水素酵素を阻害することで、中毒症状を引き起こす毒性代謝物の生成を阻害する。海外では、エチレングリコール中毒およびメタノール中毒の標準的治療薬として位置づけられおり、米国、カナダで販売されている。

 日本では「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」(2010年4月)で有用性が評価されたことで開発され、海外での臨床試験データや国内外での文献報告などに基づき、今回の承認に至った。ホメピゾールは、日本の救命救急医療において有用性が高いと期待されている。

 海外での臨床試験などでは、副作用が40.0%に認められている。主な副作用としては、頭痛や、灼熱感などの注射部位反応(各6.2%)などが認められている。なお、本薬投与で血液透析を併用する場合には、透析開始時、透析中、透析終了時、透析終了後での投与スケジュールが異なるので詳細を添付文書で確認することが必要である。