2014年9月26日、慢性骨髄性白血病治療薬ボスチニブ水和物(商品名ボシュリフ錠100咫砲寮渋と稜笋承認された。適応は「前治療薬に抵抗性または不耐容の慢性骨髄性白血病」で、1日1回500咫丙蚤600mg)を食後に経口投与する。

 慢性骨髄性白血病(CML)は、骨髄の造血幹細胞に異常が生じる白血病である。国内では成人白血病の15〜20%を占め、男性に多い。好発年齢は30〜50歳代、発症頻度は年間10万人に約1人とされる。

 CML患者の95%以上では、第9染色体と第22染色体の相互転座により生じたフィラデルフィア染色体が認められる。相互転座によりABL遺伝子とBCR遺伝子が融合したキメラ遺伝子(BCR-ABL遺伝子)が産生するBcr-Ablチロシンキナーゼが、CML発症や病態形成に深く関与していることが判明している。

 現在、CMLの治療選択肢には同種造血幹細胞移植やBcr-Ablチロシンキナーゼを選択的に阻害する薬剤を使用する薬物治療がある。薬物治療では、チロシンキナーゼ阻害薬のイマチニブ(商品名グリベック)、ニロチニブ(商品名タシグナ)、ダサチニブ(商品名スプリセル)が1次治療の中心となっている。

 これらの選択的Bcr-Ablチロシンキナーゼ阻害薬の使用により治療効果は向上してきたが、1次薬物治療によっても抵抗性を示し十分な治療効果が得られない、または副作用により投与中断を余儀なくされる患者も存在する。このことから、2次治療以降に使用する新たな薬剤が望まれていた。

 ボスチニブは、イマチニブなどと同じ選択的Bcr-Ablチロシンキナーゼ阻害薬である。海外および国内の臨床試験において、イマチニブに抵抗性または不耐容(2次治療)のCML患者、イマチニブ治療後のダサチニブまたはニロチニブに抵抗性または不耐容(3次治療以降)のCML患者に対して有効性が認められ、忍容性も良好であることが確認された。

 イマチニブ、ダサチニブ、ニロチニブに抵抗性のCML患者では、Bcr-Ablチロシンキナーゼに突然変異が生じ、薬剤が結合できなくなっている可能性が高い。ボスチニブは従来薬と異なる構造状態のチロシンキナーゼに結合するため、抵抗性のCML患者にも有効性が期待できると考えられている。

 海外においては、2012年9月に米国で、2013年3月に欧州連合(EU)で承認されており、2014年5月現在では世界35カ国で承認されている。日本では2013年12月に、希少疾病用医薬品に指定されている。

 国内臨床試験では副作用(臨床検査値異常を含む)が全例に認められている。主な副作用は下痢(93.7%)、発疹(47.6%)、ALT上昇(38.1%)などであり、重大な副作用は肝炎、肝機能障害、重度の下痢、骨髄抑制、体液貯留、ショック、アナフィラキシー、心障害、感染症、出血、膵炎、間質性肺疾患、腎不全、肺高血圧症、腫瘍崩壊症候群が報告されている。