2014年9月12日、尋常性乾癬治療薬カルシポトリオール水和物/ベタメタゾンジプロピオン酸エステル軟膏(商品名ドボベット軟膏)が発売された。適応は「尋常性乾癬」で、1日1回患部に塗布する。

 乾癬は慢性かつ難治性の皮膚疾患であり、国内の有病率は1000人中1〜2人と報告されている。治療法としては、活性型ビタミンD3やステロイドなどの外用療法、光線療法(紫外線照射)、免疫抑制剤を用いた内服療法がある。近年、重症例に対しては、TNFα阻害薬であるアダリムマブ(商品名ヒュミラ)やインフリキシマブ(商品名レミケード)などの生物学的製剤による治療が行われるようになり、有効性が確認されている。

 これらの治療のうち、罹患患者の大半を占める軽症から中等症に対しては、活性型ビタミンD3やステロイドの外用剤を用いた治療が中心となっている。外用剤は、それぞれが単剤で使用されることもあるが、治療効果を高めるために両剤を併用することも多く、薬局での混合調製が指示されることもある。

 ドボベットは、活性型ビタミンD3製剤のカルシポトリオール水和物(商品名ドボネックス)と、外用ステロイドでvery strongに分類されているベタメタゾンジプロピオン酸エステル(商品名リンデロン-DP他)を配合した製剤である。

 ドボベットは、単剤使用に比べて(1)併用による有効性・安全性の向上、(2)簡便な使用、(3)塗布時間・回数が減ることによる外用療法のストレス軽減と患者のコンプライアンス向上――といった臨床有用性が期待できる。

 国内第3相臨床試験(尋常性乾癬患者を対象とした配合成分単剤との無作為化二重盲検実薬対照3群並行比較試験)では、4週間塗布したときのm-PASI変法(乾癬の範囲および重症度を数段階で評価する方法)で単剤使用に比べて優れた改善効果が認められている。

 海外では、ドボベットは2001年10月にデンマークで承認されて以来、2014年5月現在、欧州諸国、北米、中国など世界97カ国で承認されている。

 国内臨床試験では、副作用(臨床検査値異常を含む)が3.8%に認められている。主な副作用は、毛包炎、膿疱性発疹、乾癬の悪化、色素脱落、肝機能異常、単純ヘルペス、末梢性浮腫および挫傷である。重大な副作用として、高カルシウム血症、急性腎不全などに注意する。