2014年9月2日、爪白癬治療薬エフィナコナゾール(商品名クレナフィン爪外用液10%)が薬価収載と同時に発売された。適応は「皮膚糸状菌(トリコフィトン属)による爪白癬」で、1日1回罹患爪全体に塗布する。

 爪白癬は、トリコフィトン属に属する一群の真菌を主な原因菌とする爪の感染症である。爪の混濁、肥厚、変形、落屑といった外見上の変化のみならず、爪の肥厚に伴い靴を履くときの痛みや歩行困難等が出現するなど、患者の肉体的・精神的な負担は大きい。また治療が適切に行われない場合に、家族内感染などの周囲への拡散を容易に引き起こすことが大きな問題となっている。

 これまで、日本において爪白癬に適応のある薬剤は経口抗真菌薬のみであり、外用の抗真菌薬は体部・足部白癬などにしか適応がなかった。このことから「皮膚真菌症診断・治療ガイドライン」でも内服療法を原則としている。しかし、経口抗真菌薬には肝障害等の全身的副作用や薬物相互作用も多く、特に高齢者や合併症により複数の治療薬を服用している患者では使用が制限される場合もある。

 今回発売されたエフィナコナゾールは、日本で初となる爪白癬に対する外用抗真菌薬である。既存のイトラコナゾール(商品名イトリゾール他)などと同じトリアゾール系抗真菌薬で、真菌細胞膜を構成するエルゴステロールの生合成を阻害することで抗真菌作用を発揮する。

 本薬は爪甲の透過性に優れており、爪白癬の原因菌(皮膚糸状菌)に対して高い抗真菌活性を有することから外用製剤として開発が開始された。発売される製剤はハケ一体型のボトル容器であり、薬液を爪面に容易に塗り拡げることが可能になっている。

 国内外の臨床試験では、エフィナコナゾールの皮膚刺激性に関して大きな問題は認められておらず、また日本人と外国人との間で皮膚刺激性や薬物動態に大きな違いはないことが確認された。国際共同第3相試験(日本、米国、カナダ)および海外第3相試験(米国、カナダ)で基剤対照二重盲検比較試験が行われ、投与後52週目の「完全治癒率」などの有効性評価項目において基剤投与群に比べて有意差が認められている。

 第3相試験(国際共同および海外)では、副作用(臨床検査値異常を含む)が6.4%に認められている。報告された副作用の大部分は適用部位の皮膚症状であり、皮膚炎(2.1%)、水疱(1.5%)、紅斑(0.7%)などであった。