2014年3月24日、未熟児無呼吸発作治療薬無水カフェイン(商品名レスピア静注・経口液60mg)の製造販売が承認された。適応は「早産・低出生体重児における原発性無呼吸(未熟児無呼吸発作)」。初回投与時は20mg/kgを30分かけて静注し、24時間後以降に1日1回、5〜10mg/kgを10分かけて静注または経口投与する。

 未熟児無呼吸発作とは、一般的に20秒以上の呼吸停止、または短時間の呼吸停止で徐脈、チアノーゼ、蒼白を伴うものを指す。37週未満の早産児に多く発症し、患児数は1万6000〜2万6000人と推定されている。早期に適切な治療が行われない場合、脳を始めとする諸臓器の障害が起こり、長期的な発達予後に重大な影響を及ぼす危険性がある。

 現在、治療方法としてはまず低濃度酸素投与や物理学的刺激療法が実施される。十分にコントロールできない場合は、注射薬アミノフィリン(商品名アプニション)、経口薬テオフィリン(商品名アプネカット)が用いられている。

 今回承認された無水カフェイン製剤のレスピアは、直接的な延髄呼吸中枢興奮作用、間接的な呼吸誘発反射の増強作用などにより呼吸促進を示す薬剤である。

 海外では、未熟児無呼吸発作に対する標準的治療薬としてカフェイン(カフェインクエン酸塩)とテオフィリンが位置付けられている。しかしテオフィリンは、治療域と治療域の血中濃度が近いことから血中モニタリング(TDM)による投与量の設定が必要である。一方カフェインは、テオフィリンに比べて副作用リスクが低く、TDMが不要であるため、世界的にはカフェインが早産児(未熟児)無呼吸発作の標準的な治療薬として推奨され、2014年1月現在、欧米を含む38カ国以上で承認されている。

 日本では、日本未熟児新生児学会や患者団体からカフェイン製剤の早期承認が要望され、2010年「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」にて高い評価を得たことから開発がなされた。

 本薬は、未熟児無呼吸発作の適応で2011年8月に希少疾病用医薬品に指定されており、同一製剤で静脈内投与と経口投与が可能な液剤である特徴を持つ。またテオフィリンが1日2〜3回投与であるのに対して、本薬は1日1回投与であり、利便性の観点からも有用性が高いと期待されている。

 薬剤使用に際しては、承認時までの臨床試験で壊死性腸炎、心血管系障害、中枢神経系障害、胃腸障害などの発現が認められていることに十分注意する必要がある。