2014年3月24日、2型糖尿病治療薬ダパグリフロジンプロピレングリコール水和物(商品名フォシーガ錠5mg、同錠10mg)、トホグリフロジン水和物(商品名アプルウェイ錠20mg、デベルザ錠20mg)、ルセオグリフロジン水和物(商品名ルセフィ錠2.5mg、同錠5mg)の製造販売が承認された。いずれも適応は「2型糖尿病」であり、1日1回、経口投与する製剤である。

 2型糖尿病は、インスリン分泌低下やインスリン抵抗性をきたす素因を含む複数の遺伝因子に、過食(特に高脂肪食)、運動不足、肥満、ストレスなどの環境因子、そして加齢が加わって発症する。治療の目標は、血糖、体重、血圧、血清脂質の良好なコントロール状態を維持して、糖尿病細小血管合併症および動脈硬化性疾患の発症・進展を予防し、健康な人と変わらない日常生活の質(QOL)を維持し、寿命を確保することにある。

 糖尿病の治療では、食事療法など非薬物療法をベースとして薬物療法が行われる。治療薬としては、近年登場したDPP-4阻害薬など、病態に応じて各種の作用機序を有する薬剤が使用されている。しかし一方で、糖尿病では治療の継続が重要であり、治療薬による低血糖や体重増加などの副作用で、コンプライアンスが低下することが時に問題となっていた。

 今回承認された3成分の薬剤は、選択的SGLT-2(Sodium-Glucose Co-Transporter 2;ナトリウム・グルコース共輸送体-2)阻害薬という、これまでの経口糖尿病薬にはなかった新しい作用機序を有する薬剤である。この3成分は、今年4月に発売されたイプラグリフロジン(商品名スーグラ)に次いで承認されたSGLT2阻害薬である。

 SGLTは細胞表面に存在する膜蛋白質で、ブドウ糖の細胞内への輸送をつかさどっている。SGLT-2はSGLTのサブタイプの一つであり、腎臓近位尿細管でのブドウ糖再取り込みにおいて重要な役割を担っている。今回承認されたSGLT2阻害薬は、ブドウ糖の再取り込みを抑制し、糖の尿中排泄を促進することで、血糖値を低下させる。腎臓に作用し、インスリン非依存性に血糖降下作用を発揮することから、インスリンの直接作用による副作用が発現しにくいことが期待されている。

 使用に際しては、既存の糖尿病薬と同様、副作用には十分に注意する。臨床試験で認められた主な副作用は、頻尿、口渇、便秘などであり、重大な副作用としては、低血糖症状や腎盂腎炎(トホグリフロジンを除く)が報告されている。