2014年3月24日、抗血小板薬のプラスグレル(商品名エフィエント錠3.75mg、同錠5mg)の製造販売が承認された。適応は「経皮的冠動脈形成術(PCI)が適用される虚血性心疾患(急性冠症候群、安定狭心症、陳旧性心筋梗塞)」、用法・用量は「投与開始日1日1回20mg、その後、維持用量として1日1回3.75mg経口投与」となっている。

 日本循環器病学会の『循環器疾患における抗凝固・抗血小板療法に関するガイドライン』では、PCI施行後の再梗塞予防には抗血小板療法が推奨されている。具体的な抗血小板薬としては、アスピリン(商品名バイアスピリンほか)、チクロピジン(商品名パナルジンほか)、クロピドグレル(商品名プラビックス)などが用いられる。

 特に、ステントを留置した場合には、アスピリンとチエノピリジン系薬剤の併用が基本であり、アスピリンとチクロピジンの併用、もしくはアスピリンとクロピドグレルの併用が推奨される。ただしチクロピジンに関しては、血栓性血小板減少性紫斑病、無顆粒球症、重篤な肝障害などの重大な副作用がまれに発現することから、最近、日本や欧米ではクロピドグレルが多く使用されている。

 一方でクロピドグレルも、血小板凝集抑制作用の発現に時間を要することが知られている。実際、PCI施行前6時間を過ぎてから投与した場合、6時間前以上に投与した場合に比べて早期心血管イベント発現リスクが高いとの報告がある。またクロピドグレルに対して反応性が低い患者(プアー・レスポンダー)が存在することも報告されている。

 今回承認されたプラスグレルは、チクロピジンやクロピドグレルと同じチエノピリジン系薬剤である。生体内で活性代謝物に変換された後、血小板膜上のアデノシン二リン酸(ADP)受容体P2Y12を選択的かつ非可逆的に阻害することで、血小板凝集を抑制する。

 日本では、第2相臨床試験(用量設定)と二つの第3相臨床試験(有効性と安全性)が行われ、プラスグレルは、CYP2C19の遺伝子多型の有無にかかわらず、安定した血小板凝集抑制作用を発揮すること、早期から血小板凝集抑制作用を示すことが確認されている。

 海外では、2009年2月に欧州で、同年7月に米国で承認されて以降、2014年3月現在、世界70カ国以上で承認されている。

 国内第3相臨床試験では、臨床検査値異常を含む何らかの副作用が46.2%に認められている。主な副作用は、皮下出血(10.3%)、鼻出血(6.8%)、血尿(5.5%)、血管穿刺部位血腫(4.2%)、皮下血腫(3.9%)など。重大な副作用としては、出血、血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)、過敏症などに注意する必要がある。