2014年3月24日、アスピリン・ランソプラゾール配合製剤(商品名タケルダ配合錠)の製造販売が承認された。適応は「次の疾患または術後における血栓・塞栓形成の抑制:(1)狭心症(慢性安定狭心症、不安定狭心症)、心筋梗塞、虚血性脳血管障害(一過性脳虚血発作、脳梗塞)、(2)冠動脈バイパス術(CABG)あるいは経皮経管冠動脈形成術(PTCA)施行後」であり、用法・用量は「成人、1日1回1錠経口投与」となっている。

 本薬は、1錠中にシクロオキシゲナーゼ-1(COX-1)阻害薬のアスピリン100mgと、プロトンポンプ阻害薬(PPI)のランソプラゾール(商品名タケプロン)15mgとを配合した製剤である。製剤としては、アスピリンを含む腸溶性の内核錠を、ランソプラゾールを含む腸溶性細粒の外層が包み込んだ構造になっており、割ったり、砕いたりしないように気をつけなければならない。

 現在、虚血性の心・脳血管系疾患での血栓・塞栓形成抑制には、アスピリンなどの抗血小板薬投与が一般に行われており、国内外のガイドラインでも推奨されている。アスピリンは、1899年に抗炎症薬として臨床使用され、50年前には抗血小板作用も確認された薬剤である。現在、抗血小板薬の中でアスピリンは、費用対効果が最も良い薬剤とされ、日本でも高い頻度で使用されている。

 アスピリンの抗血小板作用は、血小板のCOX-1の選択的なアセチル化によりCOX-1作用を阻害することで効果が発揮される。また、その抗血小板作用は、低用量(81〜330mg/日)で効果を示すが、高用量では血小板凝集の抑制作用が失われることが知られている。

 ただしアスピリンは、優れた抗血小板作用を有する一方で、胃・十二指腸潰瘍の副作用を惹起する欠点も指摘されている。そのため、通常のアスピリン使用時には、PPIなどの消化性潰瘍治療薬の併用が行われるが、低用量アスピリン療法時に併用できるPPIとしては、「薬剤投与時における胃潰瘍・十二指腸潰瘍の再発予防」に適応を有するランソプラゾールもしくはエソメプラゾール(商品名ネキシウム)のみとなっている。

 今回、承認されたタケルダは、低用量アスピリンとランソプラゾールの合剤であり、1剤にすることで副作用(胃潰瘍・十二指腸潰瘍)の低減、患者の服薬負担の軽減に貢献することが期待されている。

 薬剤使用に際しては、臨床試験(低用量アスピリン使用患者で胃潰瘍・十二指腸潰瘍の既往のある患者を対象)で15.9%に副作用(臨床検査値異常を含む)が認められているので注意したい。主な副作用は、便秘(3.9%)、下痢(2.5%)であり、重大なものとしては、ショック、アナフィラキシー、汎血球減少、無顆粒球症、再生不良性貧血、溶血性貧血、顆粒球減少、血小板減少、貧血、重篤な肝機能障害などが、アスピリンあるいはランソプラゾールで報告されている。

 なおタケルダの使用は、「低用量アスピリンの投与が必要で、胃潰瘍薬又は十二指腸潰瘍の既往歴がある患者」に限定されていることにも留意しておかなければならない。