2014年1月17日、遺伝子組換え型血液凝固第VIII因子製剤ツロクトコグ アルファ(商品名ノボエイト静注用250、同500、同1000、同1500、同2000、同3000)の製造販売が承認された。適応は「血液凝固第VIII因子欠乏患者における出血傾向の抑制」であり、用法・用量は「添付の溶解液全量で溶解し、1〜2mL/分で1回10〜30国際単位/kgを緩徐に静脈内注射」となっている。

 血液凝固因子が不足して生ずる血友病は、慢性の遺伝子出血性疾患であり、大きく第VIII因子が不足する血友病Aと第IX因子が不足する血友病Bがある。このうち、血友病Aに関係している血液凝固第VIII因子(FVIII)は、活性型第IX因子および第X因子に同時に結合して、活性型第IX因子による第X因子の活性化およびその結果として生じる血液凝固反応を促進する蛋白質である。そのため、血友病Aの治療には、出血を止める目的あるいは出血を予防する目的で、通常、静脈注射によるF疾什泙諒篏偲衢燭行われている。

 現在、臨床使用されているFVIII製剤としては人血漿由来FVIII製剤(商品名クロスエイトMC、コンファクトF)、培養工程でヒト血漿蛋白溶液を使用している全長型遺伝子組換え(商品名コージネイトFS)、無血清製造工程による全長型遺伝子組換え製剤(商品名アドベイト)などが使用されている。

 これらのうち、アドベイトを除く製剤は、製造工程で血漿などの蛋白が用いられており、ウイルス感染症や未知の病原物質の伝播を完全には否定できない問題があった。一方、無血清製造工程から製造されたアドベイトに関しては、血液媒介感染症のリスクを著しく減少させたことで、米国血友病協会(NHF)の医学及び科学諮問委員会(MASAC)から補充療法の最適な製剤として評価されている。

 ノボエイトは、アドベイトと同様に無血清製造工程で製造されたFVIII製剤であり、具体的にはトロンビンによる活性化を受けて、内因性の活性型FVIIIと同じ分子形態(21アミノ酸を残し、その他のBドメインを除去)を有した遺伝子組換え製剤となっている。承認時までの第3相国際共同治験(guardian 1、2、3)において、治療歴のある症例でインヒビター(抗体)の発現が認められておらず、定期補充療法と出血時の治療において良好な有効性が確認されている。

 薬剤使用に際しては、承認時までの臨床試験から副作用が7.9%認められていることに注意する必要がある。主なものとしては、注射部位紅斑、肝酵素(ALT、AST等)上昇、発熱などであり、重大な副作用としてはショック、アナフィラキシーに注意が必要である。