2014年1月17日、減感作療法薬の舌下投与用標準化スギ花粉エキス原液製剤(シダトレン スギ花粉 舌下液200JAU/mLボトル、同スギ花粉 舌下液2000JAU/mLボトル、同スギ花粉 舌下液2000JAU/mLパック)が製造承認を取得した。適応は「スギ花粉症(減感作療法)」であり、増量期(1〜2週目)、維持期(3週目以降)に分けて定められた用量を1日1回舌下投与する。いずれの場合も2分間舌下に保持した後で飲み込み、その後は5分間、うがいや飲食を控えるようにする。

 スギ花粉症は、日本で最も一般的なアレルギー疾患である。対症療法薬としては、抗ヒスタミン薬、抗アレルギー薬、ステロイドなどが広く臨床現場で使用されているが、この他、長期寛解を目的とした特異的減感作療法(アレルゲン免疫療法)も行われている。

 アレルゲン免疫療法は、1911年より実施されている治療法で、アレルギー疾患の原因であるアレルゲンを少量から投与し、徐々に増量し、アレルゲンに対する反応を減弱することにより、炎症反応を低下させ、その結果、疾患の進展を防ぐことを目的としている。世界保健機関(WHO)も、アレルゲン免疫療法の有用性を評価している。

 しかし、これまで行われてきたアレルゲン免疫療法は、皮下注射による方法(SCIT)が中心であり、投与の煩雑さや注射による疼痛、長期間に渡る定期的な通院などの面で患者の負担が大きく、さらにアナフィラキシーショックなどの重篤な副作用が問題となっていた。

 こうした問題点をクリアするために、皮下注射以外の方法が欧州を中心に検討され、1986年に舌下免疫療法(SLIT)が報告されて以後、数多くの臨床試験でSLITの有用性(有効性、安全性、使用性など)が確認されてきた。日本においては、厚生労働科学研究や、東京都福祉保険局が実施したスギ花粉症に対するSLITの臨床研究において、症状改善や患者のQOL改善などの有用性が確認されている。

 使用に際しては、国内臨床試験において使用症例の19.5%に副作用が報告されているので注意が必要である。主な副作用は、口内炎・舌下腫脹・咽喉頭そう痒感(各1.9%)、口腔内腫脹(1.5%)、耳そう痒感・頭痛(各1.1%)であり、重大な副作用としては、ショック、アナフィラキシーに注意が必要となる。

 なお、ショックやアナフィラキシーの発現防止の観点から、「減感作療法に十分精通した医師・医療機関のみ用いられ、調剤薬局においては、調剤前に当該医師・医療機関を確認してから調剤すること」が本薬の承認条件となっているので、十分に留意しておく必要がある。