2014年1月17日、高リン血症治療薬クエン酸第二鉄水和物(商品名リオナ錠250mg)が製造承認を取得した。適応は「慢性腎臓病患者における高リン血症の改善」で、用法・用量は「1回500mg、1日3回食直後投与。以後、症状、血清リン濃度の程度により適宜増減し、最高用量は1回6000mgまで」となっている。

 高リン血症は、透析中並びに保存期慢性腎臓病CKD)の多くが腎臓からのリン排泄が低下することで生じる疾患であり、高リン血症状態が持続すると臓器や関節周囲に石灰沈着を生じやすくなる。特に血管壁での石灰沈着は動脈硬化の原因となり、心筋梗塞や狭心症を発症するリスクが高まることが指摘されている。このことから、CKD患者では血清リン濃度を適切にコントロールすることが重要とされる。

 高リン血症の治療には、食事指導によるリン摂取制限、透析によるリン除去に加え、消化管からのリン吸収を抑制する経口リン吸着薬の投与が行われている。経口リン吸着薬としては、沈降炭酸カルシウム(商品名カルタンなど)、セベラマー塩酸塩(商品名レナジェル、フォスブロック)、ビキサロマー(商品名キックリン)、炭酸ランタン水和物(商品名ホスレノール)が用いられているが、それぞれの薬剤特性から、高カルシウム血症、便秘を主とする胃腸障害、長期投与時の組織蓄積といった課題も多い。さらに現時点では、保存期CKD患者に適応のある薬剤が限られているという問題もある。

 今回承認されたリオナは、リン結合能が高い第二鉄(3価鉄)が主成分である。消化管内での食事由来のリン酸と結合し、不溶性のリン酸鉄を形成してリンの消化管吸収を抑制する。比表面積を大きくすることで溶解性が改良され、既存の高リン血症治療薬よりも溶解速度が速くなり、消化管内で効率的にリン吸着作用を発揮する。国内での第3相試験などでは、血清リン濃度の低下が1週間で認められ、以降その作用は持続することが確認されている。

 薬剤使用に際しては、承認時までの臨床試験結果で何らかの副作用(臨床検査値異常を含む)が25.5%に認められていることに十分注意する必要がある。リオナの主な副作用は、下痢(10.1%)、便秘(3.2%)、腹部不快感(2.5%)、血清フェリチン増加(2.7%)である。

 なお本薬は、食物由来のリンを吸着する薬剤であり、薬効を十分に発揮させるには食直後の服用が必要であることを、しっかりと患者に指導しておかなければならない。