2014年1月17日、2型糖尿病治療薬のイプラグリフロジン L-プロリン(商品名スーグラ錠25mg、同錠50mg)が製造承認を取得した。適応は「2型糖尿病」で、用法・用量は「1日1回50mg朝食前又は朝食後に経口投与。1日1回100mgまで増量可」となっている。

 2型糖尿病は、インスリン分泌低下やインスリン抵抗性を含む複数の遺伝因子に、過食(特に高脂肪食)、運動不足、肥満、ストレスなどの環境因子と加齢が加わり発症する。治療の目標は、血糖、体重、血圧、血清脂質の良好なコントロール状態を維持し、糖尿病細小血管合併症および動脈硬化性疾患の発症・進展を防止することを通して、健康な人と変わらない日常生活の質(QOL)を維持し、寿命を確保することである。

 糖尿病の薬物療法では、スルホニル尿素(SU)薬やビグアナイド薬といった古典的な薬剤から、最近登場したインクレチン関連薬(DPP-4阻害薬など)まで、異なる作用機序を有する様々な薬剤が使用されてきた。しかし糖尿病治療では、低血糖や体重増加など、副作用に起因するコンプライアンス低下がしばしば問題となっていた。

 今回承認されたイプラグリフロジンは、選択的SGLT-2(Sodium-Glucose Co-Transporter 2:ナトリウム依存性グルコース輸送担体)阻害薬という、既存薬とは異なる新しい作用機序を持つの経口糖尿病である。

 SGLTは、細胞表面に存在する膜タンパク質で、ブドウ糖の細胞内への輸送をつかさどっている。SGLT-2は、SGLTのサブタイプの一つで腎臓近位尿細管に局在し、ブドウ糖の再取り込みにおいて重要な役割を担っている。

 イプラグリフロジンはこのSGLT-2を選択的に阻害することで、ブドウ糖の再取り込みを抑制し、糖の尿中排泄を促進することで、血糖値を低下させる。腎臓に作用し、インスリン非依存性に血糖降下作用を発揮することから、インスリンの直接作用による副作用が発現しにくいことが期待されている。

 国内で実施された第3相試験(単独療法ならびに他の経口糖尿病との併用療法)などでは、1日1回(朝食前または朝食後)の投与で、長期(52週)にわたり優れたHbA1c低下作用を示すことが確認されている。

 薬剤使用に際しては、承認時までの臨床試験で32.9%に何らかの副作用(臨床検査値異常を含む)が認められているので、十分な注意が必要である。主な副作用は、頻尿、口渇、便秘、尿中β2ミクログロブリン増加、体重減少などであり、重大な副作用として低血糖症状及び腎盂腎炎に注意が必要である。

 ちなみに現在、国内では多数のSGLT-2阻害薬が承認申請中のステージにあり、近くイプラグリフロジンに続くSGLT-2阻害薬の新薬が続々と承認・発売される見込みである。