2013年11月29日、腹膜透析液「レギュニールHCa1.5腹膜透析液、同2.5、同4.25」「レギュニールLCa1.5腹膜透析液、同2.5、同4.25」が薬価収載された。本製剤は、既に9月20日に製造承認を取得している。適応は「慢性腎不全患者における腹膜透析」で、上室液と下室液を用時混合して使用する。製剤名のアルファベット表記は、HCaがカルシウム濃度3.5mEq/Lを、LCaがカルシウム濃度2.5mEq/Lを示しており、1.5、2.5、4.25といった数字はブドウ糖濃度の違いを示している。

 慢性透析患者数は2011年末に30万人を超え、その後も増加を続けている。透析療法には、主に、医療機関に週3回程度通院して受ける血液透析(HD)と、自宅でできる腹膜透析(PD)がある。このうちPDは、自宅で腹腔内に透析液を出し入れすることで、血液中の老廃物や水分の除去を可能とした透析療法である。HDに比べて必要となる医療機関への通院回数が少なく、患者にとって日常生活の自由度が比較的高いことがPDの最大の特徴である。

 しかし一方で、PDでは、透析期間が長くなるに従い、透析液の影響で腹膜が組織学的な変化を起こして腹膜機能が低下(腹膜劣化)したり、残腎機能の低下により透析不足や体液過剰が起こってくる。また合併症として、持続的な腸閉塞などを引き起こす被嚢性腹膜硬化症(EPS)発症の危険性も指摘されている。

 これまでの腹膜透析液では、緩衝剤(アルカリ化剤)として「乳酸塩」が配合されていたが、今回、薬価収載されたレギュニールは生体内の緩衝剤でHDにて広く使用されている「重炭酸塩」が、乳酸塩の低濃度化の目的で配合されている。重炭酸塩を用いたことで、従来の腹膜透析液に比べて腹膜機能低下のリスクを低減することが期待されている。海外では、製剤により相違はあるが、重炭酸塩を配合した腹膜透析液は、英国をはじめとして欧州を中心に広く使用されている。

 レギュニールの登場は、PD療法における新たな選択肢として専門家などから期待されている。しかし使用に際しては、国内臨床試験結果で末梢性浮腫、体重増加、体液貯留および顔面浮腫などが認められていることに注意が必要である。また重大な副作用として、心・血管障害(急激な循環血流量の減少、低血圧、ショックなど)の危険性にも十分留意しておく必要がある。