2013年12月20日、「膵癌へのFOLFIRINOX療法」が承認された。FOLFIRINOX療法とは、オキサリプラチン(L-OHP:商品名エルプラット)、イリノテカン塩酸塩水和物(CPT-11:商品名カンプト、トポテシン)、レボホリナートカルシウム(l-LV:商品名アイソボリン他)、フルオロウラシル(5-FU:商品名5-FU)の4剤併用療法である。適応は「治癒切除不能な膵癌」であり、FOLFIRINOX療法での用法・用量は「2週間を1サイクルとして、L-OHP 85mg/m2、CPT-11 180 mg/m2、l-LV 200 mg/m2、5-FU 400 mg/m2をボーラス投与するとともに、5-FU 2400 mg/m2を46時間かけて持続静注」となっている。

 日本において新規膵癌患者は年間約3万人(2008年)と推定されており、年々増加傾向が認められている。治療では、ゲムシタビン塩酸塩(GEM:商品名ジェムザール他)の単独投与が行われてきたが、治療選択肢が少ないことが問題となっていた。一方、海外では、以前から膵癌に対するFOLFIRINOX療法が行われており、特に米国、カナダおよび欧州では、膵癌の標準治療法として確立されている。

 このことから、日本でも早期承認への要望が高まり、「第11回医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」(2012年3月)で審議され、厚生労働省から製薬会社へ開発要請が行われ、さらに迅速審査、優先審査の対象となり、今回の承認に至った経緯がある。

 膵癌におけるFOLFIRINOX療法については、承認時までの海外での臨床試験(ACCORD11試験)で、従来のGEM単独投与に比べて全生存期間を有意に改善(6.8カ月から11.1カ月)したことが認められている。

 ただしFOLFIRINOX療法では、臨床試験で全例において何らかの副作用が認められているので、使用には十分な注意が必要である。特に、CTP-11の下痢と、L-OHPの末梢神経障害などが同時に発現する可能性も指摘されいるほか、ACCORD11試験では高頻度に重度の骨髄抑制が認められていることにも留意しておかなければならない。事前に適応患者の選択を行うとともに、投与継続が可能な条件、減量基準などを最新の添付文書等で確認することが必要である。