2013年12月20日、経口血糖降下薬のテネリグリプチン臭化水素酸塩水和物(商品名テネリア錠20mg)で承認事項の一部変更が認められ、適応症が変更になった。新しい適応は「2型糖尿病」である。

 本薬は、既に2012年9月より臨床使用されており、これまでの適応は、「2型糖尿病。ただし、次のいずれかの治療で十分な効果が得られない場合に限る。(1)食事療法,運動療法のみ、(2)食事療法,運動療法に加えてスルホニルウレア系薬剤を使用、(3)食事療法,運動療法に加えてチアゾリジン系薬剤を使用」であった。今回の適応変更により、テネリグリプチンには併用可能な糖尿病薬に関する制限がなくなり、どの糖尿病薬とも併用できることになる。

 テネリグリプチンは、インクレチン分解酵素(ジペプチジルペプチダーゼ4:DPP-4)を選択的に阻害する、いわゆる「DPP-4阻害薬」である。インクレチンを活性化することで、血糖値をコントロールする。

 テネリグリプチンの主な特徴としては、(1)1日1回の経口投与で24時間持続した血糖コントロールが可能である、(2)腎排泄率が低く、腎機能が低下した患者にも使いやすい、(3)日本での創製品で日本人データが豊富であり、生産も日本で行う“純国産DPP-4阻害薬”である──などが挙げられる。

 今回の適応変更は、「経口血糖降下薬の臨床評価方法に関するガイドラインについて」(平成22年7月9日)に基づき、テネリグリプチンと他の血糖降下薬との併用療法における長期投与試験が実施され、有効性と安全性が認められたことによるものである。

 現在、わが国で臨床使用されているDPP-4阻害薬には、テネリグリプチンのほかに、シタグリプチン(商品名ジャヌビア、グラクティブ)、ビルダグリプチン(商品名エクア)、アログリプチン(商品名ネシーナ)、リナグリプチン(商品名トラゼンタ)、アナグリプチン(商品名スイニー)、サキサグリプチン(商品名オングリザ)の、全部で7種類がある(下表)。

 残るDPP-4阻害薬でも、血糖降下薬との併用療法における長期投与試験が実施されており、今後、順次「2型糖尿病」の承認申請がなされる見込みである。

表 DPP4阻害薬と併用できる糖尿病治療薬(2014年1月現在) ※クリックで拡大します。