「メロペン」添付文書(2013年12月改定・第17版)より抜粋。

 2013年12月20日、抗菌薬のメロペネム(商品名:メロペン点滴用バイアル0.25g、同点滴用バイアル0.5g、同点滴用キット0.5g)が、化膿性髄膜炎に対する成人1日用量を6gに変更する一部変更承認を取得した。本薬は、1995年に一般感染症(成人)の適応で承認されており、その後、2004年には髄膜炎菌、化膿性髄膜炎、一般感染症(小児)に対する適応と用法・用量が承認され、2010年には発熱性好中球減少症の適応が承認されている。

 メロペネムは、抗菌活性を維持するために、ヒト腎デヒドロペプチダーゼI(DHP-I)阻害薬であるシラスタチンを配合する必要があった他のカルバペネム系抗生物質製剤(イミペネム・シラスタチン、商品名:チエナムほか)とは異なり、抗菌成分そのものの安定化を図ったことで単剤での使用が可能となった抗菌薬である。

 化膿性髄膜炎は、髄腔中に肺炎球菌やインフルエンザ菌などの細菌が侵入して発症する重症感染症である。発症した際の致死率は高く、また救命できても重篤な後遺症を残すことがあり、原因菌の検出を含めた迅速な診断と適切な治療を早期に開始することが極めて重要となる。

 化膿性髄膜炎以外にも、緑膿菌やインフルエンザ菌を含むグラム陰性菌による一般感染症の重症・難治例に関しては、主にメロペネムなどのカルバペネム系抗生物質が使用されている。しかし、メロペネムの国内の承認用量の上限は1日3gであり、国内外における化膿性髄膜炎治療のガイドラインの推奨用量(1日6g)との乖離が問題となっていた。

 今回、メロペンで化膿性髄膜炎に関して1日6g投与が可能となったことで、重症感染症である化膿性髄膜炎の治療における新たな選択肢が増え、救命率が向上すると期待されている。ただし使用に際しては、3日間を目安としてさらに継続が必要かを確認し、投与中止またはより適切な他剤に切り替えるべきかを検討することが必要となる。また安全性に関しても、従来から報告されている肝機能障害など、臨床検査値異常を含む副作用の発現に十分注意する必要がある。また、重大な副作用として、ショック、アナフィラキシー、重篤な腎障害などについて十分に注意する。

 なお現時点では、メロペン以外のメロペネム製剤(後発医薬品)では、発熱性好中球減少症の適応や、化膿性髄膜炎に対する1日6g投与は承認されていないので注意が必要である。