2013年10月28日、細菌ワクチン製剤のプレベナー13水性懸濁注が発売された。本薬は、既に6月18日に製造承認を取得している。適応は「肺炎球菌による侵襲性感染症(IPD)予防」であり、用法・用量は「初回免疫として1回0.5mLずつ3回、いずれも27日間以上の間隔で皮下注射。追加免疫として1回0.5mLを1回、皮下注射。ただし、3回目接種から60日間以上の間隔をあける」となっている。

 肺炎球菌は感染力が強く、特に乳幼児の感染症(細菌性髄膜炎、菌血症など)の代表的な起炎菌である。中でも細菌性髄膜炎は、罹患すると後遺症を残したり、死亡に至ることもあるため、世界各国で肺炎球菌ワクチンの定期接種が行われている。

 定期接種を行っている米国では、7種の血清型抗原を有するワクチンを接種することで7価血清型によるIPDが100%近く減少した。日本では米国より10年遅く、2010年2月から7価血清型のワクチン(プレベナー:PCV7)が導入され、乳幼児などの髄膜炎や非髄膜炎(主に菌血症)が著明に減少している。しかし近年になり、この7種以外の肺炎球菌血清型(19Aなど)による感染症の割合が多くなっており、それに対応した新たなワクチンの開発・承認が熱望されていた。

 今回、発売となったプレベナー13(PCV13)は、既存のPCV7と同じキャリア蛋白とアジュバントを使用し、新たに6価血清型(1、3、5、6A、7F、19A)を追加した13価肺炎球菌結合型ワクチンである。国内の疫学調査データによると、肺炎球菌によるIPDのうち7価血清型が約37%を占め、新たに追加された6価血清型が約30%占めている。

 PCV13は、欧州(2009年)、米国(2010年)で承認されて以降、2013年4月現在、世界120カ国以上で承認されており、69カ国で小児の定期接種プログラムに導入されている。日本でも、2013年11月1日から、従来のPCV7より変えてPCV13の定期接種をすることが通知されており、従来のPCV7は既に使用できなくなっている。

 肺炎球菌による感染症予防に使用するワクチンとしては、PCV13のほかに、ニューモバックスNPがあるが、この2種類のワクチンは、接種対象者が異なるので注意したい。具体的には、PCV13が「2カ月齢以上から6歳未満の乳幼児」、ニューモバックスNPは「2歳以上の重篤疾患に罹患しやすい高齢者など」である。なおPCV13は、乳幼児でも抗体が獲得しやすいよう、無毒化したジフテリアタンパクを莢膜に結合させた製剤(無毒化変異ジフテリア毒素結合体)となっている。

 PCV13の使用に際しては、臨床試験(単独接種)で、70%以上に紅斑などの局所の副反応が認められており、さらには半数以上で発熱(37.5℃以上)などの全身性の副反応が認められているので、十分に注意する。また重大な副作用としては、ショック、アナフィラキシー、痙攣、血小板減少性紫斑病に注意が必要である。