2013年9月20日、脳疾患診断薬のイオフルパン123I)(商品名ダットスキャン静注)が製造承認を取得した。適応は「パーキンソン症候群、レビー小体型認知症の疾患の診断におけるドパミントランスポーターシンチグラフィ」で、SPECT(単一光子放射断層撮影)などの頭部シンチグラフィ検査の前に静脈投与する放射性医薬品である。

 パーキンソン症候群は、パーキンソン病の4大徴候(安静時振戦、固縮、無動、姿勢反射障害)のうち、2つ以上を呈する疾患の総称である。また、アルツハイマー型認知症、血管性認知症と並ぶ三大認知症であるレビー小体型認知症は、認知症状を必須の臨床症状とし、加えて幻覚やパーキンソン症状が高頻度でみられる神経変性疾患である。

 パーキンソン症候群とレビー小体型認知症は、ともに黒質線条体ドパミン神経の脱落を呈する神経変性疾患である考えられている。現在は、MRIやCTなどの画像検査や臨床症状から診断されているが、特異的な異常が認められず他の類似疾患と誤診されることも少なくないことが問題となっていた。

 I-123標識されたイオフルパンは、脳内の黒質線条体ドパミン神経の終末部に存在するドパミントランスポーターに高い親和性を有する。SPECTなどで画像化すれば、ドーパミントランスポーターの分布を確認でき、パーキンソン症候群やレビー小体型認知症におけるドパミン神経の変性・脱落を評価できると考えられている。

 海外では、米国や欧州など、34の国や地域で承認されており、パーキンソン症候群やレビー小体型認知症の標準的診断法として利用されている。日本では、日本核医学会や日本医学放射線学会が早期承認を要望しており、これを受けて「医療上の必要性が高い未承認薬・適応外薬検討会議」にも取り上げられ、厚生労働省が製薬会社に開発要請を行ったことで、今回の申請および承認に至っている。

 使用に際しては、国内外の臨床試験で、頭痛や悪心などの副作用が認められているので注意したい。