2013年9月27日、pH4処理酸性人免疫グロブリン製剤(商品名ハイゼントラ20%皮下注1g/5mL、同20%皮下注2g/10mL、同20%皮下注4g/20mL)が製造承認を取得した。適応は「無又は低ガンマグロブリン血症」で、50〜200mg/kgを週1回皮下投与する製剤である。

 免疫グロブリンに量的もしくは質的に異常が生じると、体の防御反応が不十分となって感染症が起こりやすくなる。こうした免疫不全は、先天的な「原発性」のものと、ウイルス感染や免疫抑制薬の投与などによる「二次性」のものに大別され、治療では免疫グロブリン補充療法が行われている。具体的には、一時的もしくは継続的に、血漿分画製剤の免疫グロブリンを静注投与することで、血中グロブリン濃度を正常域に維持することが目標となる。

 これまで、免疫不全の治療に使用する免疫グロブリン製剤としては、静脈注射用人免疫グロブリン製剤(5%、10%)が使用されてきた。しかしこれらの製剤は、有効性は高いものの、静注製剤であることから投与が医療施設内に限られ患者の負担が大きいことが問題となっていた。

 今回、承認されたハイゼントラは、日本で初となる皮下注用の人免疫グロブリン製剤であり、在宅自己注射が可能となっている。さらに、既存の製剤に比べて高濃度(20%)であることから製剤の投与量が少なく、投与時間を短縮できる利点を有している。

 承認時までの国内での第3相臨床試験では、既存の静注用人免疫グロブリン製剤と等量のハイゼントラに切り替えても、試験開始前の静注用人免疫グロブリン製剤使用時の血中IgG値が維持されたことが認められている。海外では、2010年に米国で承認されて以来、2013年9月現在、日本を含め世界35か国で承認されている。

 ハイゼントラの承認により、これまでの静注用製剤が使用できない乳幼児や、静注で全身性副作用が認められる患者などに代替でき、さらには在宅自己注射が可能となったことで患者の負担軽減(通院時間の短縮など)が期待できる。また同薬は、アミノ酸の一種のL-プロリンによって安定化されていることから室温保存(25℃以内)が可能で、患者宅での保管や携帯に便利である。

 ただし薬剤使用に際しては、承認時までの臨床試験結果において、何らかの副作用が84.0%に認められていることに十分注意する必要がある。主な副作用は、注射部位の局所反応(80.0%)であり、重大な副作用としては、アナフィラキシー反応、無菌性髄膜炎症候群、血栓塞栓症が報告されている。