2013年9月27日、C型慢性肝炎治療薬シメプレビルナトリウム(商品名ソブリアードカプセル100mg)が製造承認を取得した。適応は「血中HCV RNA量が高値の未治療患者およびインターフェロンを含む治療で無効または再燃となった患者におけるセログループ1(ジェノタイプI(1a)またはII(1b))のC型慢性肝炎でのウイルス血症の改善」であり、1日1回100mgを12週間経口投与する薬剤である。ただし投与時には、ペグインターフェロン アルファ-2a(遺伝子組換え)またはペグインターフェロン アルファ-2b(遺伝子組換え)、及びリバビリンと併用することが定められている。

 C型慢性肝炎における治療目標は「C型肝炎ウイルスHCV)の排除」である。薬物治療では従来から、このHCVの排除を目標として、インターフェロン(IFN)単独療法、IFNとリバビリン(商品名:コペガス、レベトール他)の併用療法、IFN製剤のペグインターフェロン(商品名ペガシス、ペグイントロン)への切り替えなどが行われ、さらに2011年11月からは新しい作用機序を有するテラプレビル(商品名テラビック)に、IFNとリバビリンを併用する3剤併用療法が行われている。

 テラプレビルを含めた3剤併用療法により、日本人に最も多いジェノタイプI型で高ウイルス量の難治性C型慢性肝炎患者でも、HCV RNA持続陰性化(SVR)率が約70%を達成できるようになったが、一方で高度の貧血や重篤な皮膚病変など、副作用の増加が問題となっている。このことから臨床現場では、今以上に治療効果が高く、より安全性の高い新たな治療薬の開発・承認が熱望されていた。

 今回、承認になったシメブレビルは、テラプレビルと同様、C型肝炎ウイルス(HCV)の複製に必須の酵素であるNS3/4Aセリンプロテアーゼを選択的に阻害することで、HCVの増殖を抑制する経口の直接作用型抗ウイルス薬(DAA)である。またIFNα-2aやIFNα-2bと相加的な抗ウイルス作用を示すことが認められている。

 国内の4つの臨床試験(CONCERTO-1〜4)では、未治療群や前治療群と比較して、シメプレビルを含む3剤併用療法(シメプレビル:12週間+PEG-IFNα-2bまたは2a+RBV:24週間または48週間)で優れた有効性が確認されている。またシメプレビル+PEG-IFNα-2a+リバビリンの3剤併用療法での主な副作用は、従来のシメプレビルを入れない2剤併用療法と同程度であり、著しく増加した有害事象も確認されていない。

 なお、国内臨床試験(3剤併用療法)では、ほとんどの症例(97.7%)で何らかの副作用(臨床検査値異常を含む)が認められているので十分に注意する必要がある。主な副作用は、発疹(46.6%)、そう痒症(24.1%)、血中ビリルビン増加(22.2%)、便秘(6.7%)、光線過敏性反応(1.8%)などであり、重大な副作用として貧血、多形紅斑(各0.2%)が報告されている。