2013年9月20日、慢性閉塞性肺疾患治療薬のグリコピロニウム臭化物・インダカテロールマレイン酸塩(商品名ウルティブロ吸入用カプセル)が製造承認を取得した。適応は、「慢性閉塞性肺疾患(慢性気管支炎、肺気腫)の気道閉塞性障害に基づく諸症状の緩解(長時間作用性吸入抗コリン薬及び長時間作用性吸入β2刺激薬の併用が必要な場合)」、用法・用量は「成人、1回1カプセルを1日1回、専用の吸入用器具(ブリーズヘラー)を用いて吸入」となっている。

 慢性閉塞性肺疾患COPD)は、喫煙習慣が主な原因となる肺の生活習慣病で、高齢者の罹患割合が高いことが知られている。息切れなどによって日常生活に支障を来し、進行すると酸素吸入が必要になる。国内外で幾つかのガイドラインが公表されているが、日本では2013年に『COPD(慢性閉塞性肺疾患)診断と治療のためのガイドライン第4版』(日本呼吸器学会)が4年ぶりに公表されている。

 COPDの薬物治療では、気管支拡張薬(特に吸入製剤)が主に使用される。具体的には、インダカテロール(商品名オンブレス)などの長時間作用型吸入β2刺激薬(LABA)のほか、1日1回投与で気管支拡張作用が24時間持続するグリコピロニウム(商品名シーブリ)などの長時間作用性吸入抗コリン薬(LAMA)が使用されている。また近年、LABAと吸入ステロイドの配合剤であるアドエアやシムビコートが使用されることも増えている。

 今回承認されたウルティブロは、日本で初となるLAMAとLABAの配合剤である。LAMAのグリコピロニウムとLABAのインダカテロールを配合する。単剤では労作時の息切れなどをコントロールできない患者に有用であり、吸入操作が1回で済むため、患者の負担軽減やコンプライアンス向上が期待できる。

 投与に当たっては、各薬剤で単独投与時に確認されている副作用に注意するとともに、特に過度の使用により不整脈や心停止などの重大な副作用の発現があることを患者に十分理解させ、1日1回を超えて使用しないように指導する必要がある。