2013年9月20日、肥満症治療薬のセチリスタット(商品名オブリーン錠120mg)が製造承認を取得した。適応は、「肥満症(ただし、2型糖尿病及び脂質異常症を共に有し、食事療法・運動療法を行ってもBMIが25kg/m2以上の場合に限る)」、用法・用量は「成人にはセチリスタットとして1回120mgを1日3回毎食直後に経口投与する」となっている。

 肥満症診断基準2011(日本肥満学会)によると、肥満症は「肥満に起因ないし関連する健康障害を合併するか、その合併が予測される場合で、医学的に減量を必要とする病態をいい、疾患単位として取り扱う」と定義されている。また診断は、「肥満と判定されたもの(BMI≧25kg/m2)のうち、次のいずれかの条件を満たすもの。1)肥満に起因ないし関連し、減量を要する(減量により改善する、または進展が防止される)健康障害を有するもの。2)健康障害を伴いやすいハイリスク肥満ウエスト周囲長のスクリーニングにより内臓脂肪蓄積を疑われ、腹部CT検査によって確定診断された内臓脂肪型肥満」とされている。

 これまで肥満症治療薬としては、米国で開発された食欲抑制薬のマジンドール(商品名サノレックス)が1973年から世界的に使用され始め、日本でも1992年から臨床使用されている。マジンドールの薬理作用は、覚せい剤のアンフェタミンと類似しており、視床下部の摂食中枢への食欲抑制作用を示す薬剤である。

 今回、承認されたセチリスタットは、日本初となるリパーゼ阻害薬である。リパーゼを阻害することで、腸管からの脂肪吸収を抑制し、体重を減少する。なお世界的に見ると、欧米では同じリパーゼ阻害薬であるオルリスタット(商品名Xenical:日本未承認)が発売されている。

 承認までに行われた3つの臨床第3相試験(有効性と安全性:52週のプラセボ対照二重盲検比較試験、安全性:24週および52週の非盲検試験)で、セチリスタットの有効性と安全性が確認されている。有効性に関しては、長期にわたって内臓脂肪を減少させ、HbA1c、LDLコレステロール、総コレステロール、収縮期血圧を低下させたことが報告されている。

 臨床試験では、60.3%に何らかの副作用(臨床検査値異常を含む)が認められている。主な副作用は、下痢・脂肪便(55.9%)で、重大な副作用としては同類薬のオルリスタットで重篤な肝機能障害が報告されている。