2013年6月28日、高血圧治療薬のイルベサルタン・トリクロルメチアジド配合錠(商品名イルトラ配合錠LD、同配合錠HD)が製造承認を取得した。この薬剤は、アンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)のイルベサルタン(商品名イルベタン、アバプロ)と、サイアザイド系利尿薬のトリクロルメチアジド(商品名フルイトランほか)との配合剤である。ARBとサイアザイド系利尿薬との配合剤としては5番目となる製剤であるが、サイアザイド系利尿薬としてトリクロルメチアジドを配合したのは、本薬が日本初となる。

 今回、イルトラでは、2規格が承認されている。1錠中のトリクロルメチアジドを一定量(1mg)とし、これにARBのイルベサルタンを100mg加えた「LD」と、200mg加えた「HD」である。同じようにARB含量の違いで2規格とした同系統の配合剤としては、カンデサルタンシレキセチル・ヒドロクロロチアジド配合製剤(商品名エカード配合錠LD、同配合錠HD)と、テルミサルタン・ヒドロクロロチアジド製剤(商品名ミコンビ配合錠AP、同配合錠BP)がある。

 本剤の承認時までの3つの国内臨床試験(イルベサルタン単独群との比較試験など)では、トラフ時坐位拡張期血圧および収縮期血圧変化量に関してイルベサルタン単剤に対する優位性が確認されており、安全性についても問題ないと評価されている。

 使用に際しては、同系統の薬剤と同様、「過度の血圧低下の危険性があるので、高血圧治療の第一選択薬としないこと」に十分に注意する必要がある。また、使用する患者選択を慎重に行うとともに、薬剤投与中はARBおよび利尿薬による副作用に注意しなければならない。