2013年6月28日、降圧薬ビソプロロールのテープ剤(商品名ビソノテープ4mg、同テープ8mg)が製造承認を取得した。β遮断薬のビソプロロールは、内因性交感刺激作用(ISA)を有さない選択的β1遮断薬であり、既にフマル酸塩として経口製剤(商品名メインテートほか)が国内外で広く臨床使用されている。今回発売されたテープ剤の適応は「本態性高血圧症(軽症〜中等症)」で、用法・用量は「成人、1日1回1枚、胸部、上腕部または背部のいずれかに貼付し、貼付後24時間毎に貼りかえる。年齢、症状により1日1回4mgより開始し、1日最大量8mg」となっている。

 『高血圧治療ガイドライン2009』(日本高血圧学会)では、高血圧治療には、Ca拮抗薬、ARB、ACE阻害薬、β遮断薬といった降圧薬を、それぞれの患者の病態や合併症に応じて使い分けることが推奨されている。また降圧目標の達成には、24時間にわたる降圧、多剤併用療法、アドヒアランスの改善が必要であることが記載されている。降圧薬のうち、β遮断薬については、交感神経活性の亢進が認められる若年者の高血圧症、労作性狭心症、心筋梗塞後、頻脈合併例などに積極的な適応があるとされている。

 今回承認されたビソノテープは、世界初となるβ1遮断薬のテープ製剤であり、嚥下困難などにより経口投与が不可能な患者にも使用できるほか、経口製剤からの切り替えにより服薬コンプライアンスの向上も期待できる。国内の臨床試験では、本態性高血圧症(I度・II度;投与直前の坐位拡張期血圧が95〜109mmHg)の患者において、安定した血中薬物濃度が持続され、24時間の血圧コントロールが可能となることが報告されている。

 なお、本薬の開発に当たっては、降圧薬の中で比較的経皮吸収性が良好であるβ1遮断薬のうち、特に貼付時の経皮吸収量と貼付部位の皮膚安全性のバランスがよいビソプロロールが選択されたという。

 承認時までの臨床試験では、本薬使用者の29.5%に何らかの副作用が認められている。主な副作用は、適用部位そう痒感(7.1%)、適用部位皮膚炎(3.7%)、適用部位紅斑(2.2%)などであり、重大な副作用としては、心不全、完全房室ブロック、高度徐脈、洞不全症候群に注意が必要である。なお、使用する患者には、皮膚症状などの副作用を軽減する観点から、貼付部位を毎回変更することを指導する必要がある。