2013年6月28日、骨粗鬆症治療薬のイバンドロン酸ナトリウム水和物(商品名ボンビバ静注1mgシリンジ)が製造承認を取得した。適応は「骨粗鬆症」で、1カ月に1回、1mgを静注する。

 骨粗鬆症は、「加齢等により骨吸収と骨形成のバランスが崩れ、相対的に骨吸収が優位になったことで骨量の減少が起こり、更に骨微細構造の変化により骨強度が低下することで、骨折が起こりやすくなる疾患」と定義されている。

 骨粗鬆症の治療薬としては、カルシトニン製剤、ビスホスホネート製剤、活性型ビタミンD3製剤、女性ホルモン製剤、選択的エストロゲン受容体モジュレーター(SERM)、ヒト甲状腺ホルモン(PTH)製剤、イプリフラボン製剤、蛋白同化ホルモン製剤などが使用されている。このうち、国内のガイドラインでは、女性ホルモン製剤(結合型エストロゲン)、ビスホスホネート製剤、SERM、PTH製剤などが治療薬として強く推奨されている。

 今回承認されたイバンドロン酸ナトリウム水和物は、ビスホスホネート製剤である。骨粗鬆症の適応を有するビスホスホネート製剤の注射製剤としては、2012年1月承認されたアレンドロン酸ナトリウム水和物(商品名ボナロン)に次ぐ、2番目の製剤となる。

 ビスホスホネートの経口製剤では、服用後30分は横にならない、服薬前後に水を除く飲食並びに他の薬剤の経口摂取を避ける、といった規制が必要であるが、イバンドロン酸ナトリウムなどの注射製剤では、こうした規制が必要ない。したがって、経口製剤が投与困難な患者でも、注射製剤であれば投与可能である点は大きなメリットとなる。

 またアレンドロン酸ナトリウムの注射製剤との比較では、アレンドロン酸ナトリウムが4週に1回の「点滴静注」製剤であるのに対し、イバンドロン酸ナトリウムは1カ月に1回の「静脈内ボーラス投与」製剤である点に違いがある。投与が短時間で終わることは、患者にとっても、医療従事者にとっても、メリットと言える。

 海外では、イバンドロン酸ナトリウムの経口製剤として、連日投与の2.5mg錠が米国(2003年5月)と欧州(2004年2月)で、1カ月に1回の150mg錠が米国(2005年3月)と欧州(2005年9月)で承認されており、静注製剤も、3カ月に1回3mgの静注製剤が米国(2006年1月)と欧州(2006年3月)で承認されている。また、国内のリセドロン酸ナトリウム水和物(商品名ベネット、アクトネルほか)2.5mg錠との第2/3相臨床試験(無作為化二重盲検群間比較試験)で、椎骨骨折の発生頻度における非劣性も確認されている。

 薬剤投与に当たっては、承認時までの臨床試験で何らかの副作用(臨床検査値異常を含む)が24.4%に認められていることに十分注意する必要がある。主な副作用は、背部痛(2.6%)、筋肉痛(2.1%)、関節痛(2.0%)などであり、重大な副作用としては、アナフィラキシーショック、アナフィラキシー反応、顎骨壊死・顎骨骨髄炎、大腿骨転子及び近位大腿骨骨幹部の非定型骨折が報告されている。