2013年5月24日、急性ポルフィリン症治療薬のヘミン(商品名ノーモサング点滴静注250mg)が薬価収載され、近く発売される見込みである(製造承認は3月25日)。適応は「急性ポルフィリン症患者における急性発作症状の改善」で、用法・用量は「1日1回3mg/kgを4日間、点滴静注する。ただし、1日最大250mgを超えないこと」となっている。

 急性ポルフィリン症は、ヘム合成に関与する酵素群の活性の低下により、δ-アミノレブリン酸(ALA)やポルフォビリノーゲン(PBG)などのポルフィリン前駆体が蓄積することで、腹部症状(腹痛、嘔吐など)、精神症状(幻覚、妄想など)、神経症状(四肢麻痺、筋力低下など)、高血圧や頻脈などの自律神症状を呈する疾患で、適切な治療が行われないと呼吸麻痺などで死に至ることもある。ポルフィリン症は、遺伝的素因を持っていても一生涯発作を経験しないケースも少なくないものと考えられている。

 急性ポルフィリン症の治療では、従来から経験的にグルコース大量療法が行われてきたが、症状の程度により臨床効果が十分でないこともあり、有効な薬剤の開発・承認が熱望されていた。

 ノーモサングは、ヘム合成経路の律速酵素であるALA合成酵素活性を低下させ、ポルフィリン前駆体の蓄積を低減する生物由来(人血液)の薬剤である。海外では、急性ポルフィリン症の標準治療薬となっており、欧州、南アフリカ、台湾など31の国と地域で承認・発売されている。日本では、以前から個人輸入で治療が行われていた。

 今回のノーモサングの承認に当たっては、患者団体から薬剤の早期承認と健康保険適用を求める要望書が提出され、「未承認薬使用問題検討会議」(2008年1月、同年3月)において評価されている。また2011年9月には、希少疾病用医薬品に指定されている。

 国内の臨床試験では、何らかの副作用(臨床検査値異常を含む)が85.7%に認められている。主な副作用は、ほてり・血管障害・低ナトリウム血症(各28.6%)などであり、重大な副作用としてはアナフィラキシーが認められている。なお、本薬は日本での使用経験が少ないことから、当面は全症例に対して使用成績調査を実施することが承認条件となっている。