2013年6月27日、オキシブチニン塩酸塩の経皮吸収型製剤(商品名ネオキシテ―プ73.5mg)が発売された。本製剤は既に3月25日に製造承認を取得し、5月24日に薬価収載されている。適応は「過活動膀胱における尿意切迫感、頻尿及び切迫性尿失禁」であり、用法・用量は「1日1回1枚を下腹部、腰部又は大腿部にいずれかに貼付し、24時間毎に貼り替える」となっている。

 過活動膀胱OAB)は、「尿意切迫感を必須とした症状症候群であり、通常は頻尿と夜間頻尿を伴うものであり、切迫性尿失禁は必須ではない」(日本排尿機能学会)と定義されている。また国際禁制学会(ICS)は、OABの最終診断において、「局所的な病態(膀胱腫瘍、膀胱結石、尿路感染など)を除外する必要がある」としている。

 日本においてOAB患者は40歳以上で810万人(2002年)と推定されており、加齢に伴って罹患患者が増えることも報告されている。OABの病因としては、神経因性(脳血管障害などの脳幹部橋より上位の中枢障害と脊髄損傷などの脊髄障害)と非神経因性(下部尿路閉塞や加齢など)に大別される。

 OABの治療では、薬物治療が中心で、中でもムスカリン受容体拮抗薬が、OABにおける尿意切迫感、頻尿、切迫性尿失禁に対する第一選択薬とされている。1988年5月には、ムスカリン受容体拮抗薬であるオキシブチニンの錠剤(商品名ポラキスなど)が発売され、OABへの有用性が認められている。オキシブチニンは、ムスカリンM3およびM4受容体に高い親和性を有し、ムスカリン受容体を阻害することで、結果として膀胱平滑筋の不随意収縮を抑制し、排尿筋の過活動を改善する。

 しかし一方で、薬剤使用により抗ムスカリン作用に起因する副作用(口内乾燥、便秘、霧視など)も多いことが、OAB患者の服用コンプライアンスの低下を招くとして、問題となっていた。

 今回、薬価収載されたオキシブチニンの経皮型製剤は、経口剤(錠剤)とは異なり、急激な血中濃度の上昇が抑制され、抗ムスカリン性の副作用発現が軽減できることが認められている。また、抗ムスカリン性の副作用の原因とされるオキシブチニンの代謝物(N-desethyloxybutynin:DEO)についても、経皮吸収型製剤では初回通過効果を回避することから産生が抑制され、副作用の低減できるのではないかと期待されている。

 薬剤使用に際しては、承認時までの臨床試験結果で何らかの副作用(臨床検査値異常を含む)が63.6%認められている。主な副作用は、適用部位皮膚炎(46.6%)、口内乾燥(8.4%)、適用部位紅斑(4.5%)などであった。また重大な副作用としては、血小板減少、麻痺性イレウス、尿閉が報告されている。また、貼付による皮膚刺激を軽減するために、貼付箇所を毎回変更するよう、注意喚起されていることにも留意しておかなければならない。

■訂正 2013.7.8に以下の訂正をしました。
・下から2番目のパラグラフの最後に、「海外でオキシブチニンの経皮吸収型製剤は発売されていない」旨の記述がありましたが、実際には発売されていましたので、この一文を削除しました。