2013年5月29日、抗てんかん薬のルフィナミド(商品名イノベロン錠100mg、同錠200mg)が発売された。本薬は、既に3月25日に製造承認を取得し、5月24日に薬価収載されている。適応は、「他の抗てんかん薬で十分な効果が認められないLennox‐Gastaut症候群における強直発作及び脱力発作に対する抗てんかん薬との併用療法」で、1日2回、食後に経口投与する。用量は、年齢や体重によって調節する。

 Lennox-Gastaut症候群LGS)は、小児の難治てんかんの一つである。1〜8歳の間に発症することが多く、ピークは3〜5歳とされている。強直発作、脱力発作、非定型欠神を中心とする多彩で頻回の発作が特徴で、強直間代発作、ミオクロニ―発作、部分発作が認められる場合もある。多くの症例で、てんかん重積状態も認められる。

 LGSに特徴的な強直発作や脱力発作はしばしば転倒を伴い、予期せぬ転倒は致死的な外傷や事故につながる危険がある。発作は既存の抗てんかん薬に抵抗性で、長期予後は極めて不良である。他の重症のてんかん症候群と同様に、突然死による死亡率が高いといわれている。なお、日本におけるLGS患者数は少なく、有病率は10万人あたり約3人と推定されている。

 今回、発売されたルフィナミドは、非臨床試験で、運動系に影響を及ぼさない用量で抗けいれん作用を有することが報告されている。作用機序は不明な部分もあるが、電位依存性ナトリウムチャネルの不活性化状態からの回復を遅延させる作用、ナトリウム依存性活動電位の高頻度発火を抑制する作用を有することが示されている。

 海外では、LGS患者を対象とした第3相二重盲検比較試験で、ルフィナミドの有効性と安全性が確認されている。欧州(2007年1月)と米国(2008年11月)で承認されて以降、2013年1月までに世界22カ国で発売されている。日本では厚労省「未承認薬使用問題検討会議」(2007年10月)で早急に治験を行うことが提言され、2011年6月希少疾病用医薬品に指定されている。

 国内臨床試験では、70.7%に何らかの副作用が認められたことが報告されている。主な副作用は、傾眠(20.7%)、食欲減退(17.2%)、嘔吐(12.1%)、便秘(10.3%)などであり、重大な副作用としては、過敏症症候群が報告されている。なお、バルプロ酸ナトリウム(商品名デパケン、バレリンなど)と併用すると、ルフィナミドの血中濃度が上昇することが明らかになっている。併用時には、投与量を注意する必要がある。