2013年3月25日、DPP4阻害薬サキサグリプチン水和物(商品名オングリザ錠2.5mg、同錠5mg)が製造承認を取得した。適応は「2型糖尿病」で、用法・用量は「成人、1日1回5mg経口投与。患者の状態で1日1回2.5mgも可能」となっている。

 近年、血糖のコントロールには、食事の摂取などにより消化管から産生されるホルモン(インクレチン)が大きく関与していることが判明してきた。インクレチンは、血糖値が高い場合にインスリン分泌を増強するが、血糖値が正常あるいは低い場合にはインスリンを増強しないことが知られている。またインクレチンは、グルカゴンの分泌を低下させ、肝臓における糖新生を抑制することも確認されている。

 こうした特徴を応用して、インクレチンを活性化する作用を持つ薬剤の開発が広く行われている。具体的には、インクレチン分解酵素であるジペプチジルペプチダーゼ4(DPP4)の選択的阻害薬や、インクレチンのアナログ製剤であるGLP1(グルカゴン様ペプチド1)の注射製剤が臨床使用されている。中でもDPP4阻害薬は、たくさんの製品が開発されており、日本では、シタグリプチン(商品名ジャヌビア、グラクティブ)、ビルダグリプチン(商品名エクア)、アログリプチン(商品名ネシーナ)、アナグリプチン(商品名スイニー)、テネリグリプチン(商品名テネリア)、リナグリプチン(商品名トラゼンタ)が既に臨床使用されている。

 今回、承認されたサキサグリプチンは、DPP4阻害薬としては国内で7番目の薬剤である。サキサグリプチンは、「経口血糖降下薬の臨床評価方法に関するガイドライン」(平成22年7月9日)に基づいて臨床試験が行われており、新薬としての承認時点から「2型糖尿病」の適応が認められ、併用薬の制限がない、初の経口新規血糖降下薬となる。

 ちなみに、既発売のDPP4阻害薬の中では、ビルダグリプチンとリナグリプチンが、ガイドラインに基づく臨床試験を改めて実施し、それぞれ2013年2月と2013年3月に「2型糖尿病」の適応を新たに取得している。

 サキサグリプチンは、海外では、2009年7月に米国、2009年10月に欧州で承認されており、2013年2月現在では、世界84カ国の国と地域で承認されている。

 本薬は、国内臨床試験(対象:2型糖尿病患者)において、17.9%に何らかの副作用(臨床検査値異常を含む)が認められていることに注意が必要である。主な副作用としては、低血糖症(2.3%)、便秘(1.5%)、発疹(1.2%)などであり、重大な副作用としては、低血糖症、急性膵炎、過敏症反応、腸閉塞に注意が喚起されている。

■訂正 2013.5.17に以下の訂正をしました。
・タイトルおよび本文中で、本薬の一般名をオキサグリプチンと表記しておりましたが、正しくはサキサグリプチンでした。