2013年3月25日、骨粗鬆症治療薬のデノスマブ(商品名:プラリア皮下注60mgシリンジ)が製造承認を取得した。適応は「骨粗鬆症」であり、用法・用量は「成人には6カ月に1回、60mgを皮下注射」となっている。デノスマブ製剤は、既に「多発性骨髄腫による骨病変及び固形癌骨転移による骨病変」を適応とする「ランマーク皮下注120mg」が、2012年4月から臨床使用されている。

 骨粗鬆症とは、「加齢等により骨吸収と骨形成のバランスが崩れ、相対的に骨吸収が優位になったことで骨量の減少が起こり、さらに骨微細構造の変化により骨強度が低下することで、骨折が起こりやすくなる疾患」である。骨粗鬆症が進行すると寝たきりの原因になるなど、患者のQOLを低下させることから、薬物治療をはじめとした早期治療が必要となる。

 現在、骨粗鬆症の治療薬としては、(1)破骨細胞に作用して骨吸収を抑制する薬剤:ビスホスホネート製剤、活性型ビタミンD3製剤、女性ホルモン製剤、選択的エストロゲン受容体モジュレーター(SERM)、(2)骨芽細胞に作用して骨形成を促進する薬剤:ヒト甲状腺ホルモン(PTH)製剤──などが使用されている。

 デノスマブは、RANKリガンド(破骨細胞の形成・機能・生存に重要な役割を果たす蛋白質)を標的とするヒト型モノクローナル抗体である。RANKを特異的に阻害し、破骨細胞の形成を抑制することで骨吸収を抑制する。その結果、皮質骨及び海綿骨の骨量を増加させ、骨強度を増強させると考えられている。

 今回承認されたプラリアの最大の特徴は、6カ月に1回の皮下投与で、優れた骨折抑制効果が確認されていることである。骨粗鬆症患者を対象とした国内第3相臨床試験(DIRECT試験)において、プラセボとの比較で椎体骨折の累計発生率を有意に抑制しており、有害事象は大きな差異が認められなかったことが報告されている。海外では、欧州(2010年5月)や米国(2010年6月)で「閉経後骨粗鬆症」の適応で承認されて以降、2012年10月現在、世界60を超える国または地域で承認されている。

 薬剤投与に際しては、承認までの国内第3相臨床試験で、何らかの副作用(臨床検査値異常を含む)が18.0%に認められていることに十分な注意が必要である。主な副作用は、低Ca血症・背部痛・γ-GTP上昇・高血圧(各0.8%)、湿疹(0.7%)、関節痛(0.6%)などであり、重大な副作用として、低Ca血症、顎骨壊死・顎骨骨髄炎、アナフィラキシー、大腿骨転子下及び近位大腿骨骨幹部の非定型骨折、重篤な皮膚感染症が報告されている。

 また同成分のランマークについては、2012年9月に「重篤な低Ca血症の副作用発現」に関する安全性速報(ブルーレター)が発布され、注意喚起されていることを知っておきたい。投与中に生じる重篤な低Ca血症を予防・治療するには、沈降炭酸カルシウム・コレカルシフェロール・炭酸マグネシウム(商品名:デノタスチュアブル配合錠)の投与が必要となる。