2012年11月27日、眼科用血管内皮増殖因子(VEGF)阻害薬のアフリベルセプト(商品名アイリーア硝子体内注射液40mg/mL)が発売された。本薬は、9月28日に製造承認を取得し、11月22日に薬価収載されている。適応は「中心窩下脈絡膜新生血管を伴う加齢黄斑変性」であり、用法・用量は「1カ月に1回2mg、連続3回(導入期)硝子体内に投与。その後の維持期では、通常、2カ月ごとに1回、硝子体内に投与」となっている。

 加齢黄斑変性AMD)とは、加齢に伴う網膜黄斑部の変性疾患で、重度の視力低下を伴う難治性眼科疾患である。AMDは、脈絡膜新生血管を伴い急速に視力低下が起こる「滲出型」と、脈絡膜の新生血管を伴わず視細胞の萎縮が緩徐に進行し視力が低下する「萎縮型」に分類される。中でも滲出型AMDは、進行が早いため、早急な治療が必要といわれている。

 近年、脈絡膜新生血管(CNV)の発生に重要な役割を果たすVEGFを標的とした「VEGF阻害薬」が登場し、滲出型AMDでは標準治療薬となっている。具体的には、ペガプタニブナトリウム(商品名マクジェン)、ラニビズマブ(商品名ルテンティス)などがある。また、その他にも、黄斑部の新生血管に集積するベルテポルフィン(商品名ビスダイン)を用いた光線力学療法も行われている。

 今回、発売されたアフリベルセプトは、ヒトVEGF受容体1と受容体2の細胞外ドメインの一部をヒトIgG1のFcドメインと融合させた遺伝子組換え融合蛋白であり、VEGF阻害薬に分類される。VEGF-A、VEGF-B、胎盤成長因子(PlGF)といった幅広いVEGFファミリーに対して結合親和性を持ち、眼内において優れた抗VEGF活性を発揮する。

 本薬は、既存の抗VEGF阻害薬に比べると、維持期の投与間隔が2カ月に1回と長いのも特徴である。海外第3相試験(VIEW1試験)や日本人を含む第3相国際共同試験(VIEW2試験:非劣性試験)では、アフリベルセプトを2カ月に1回投与した群での有効性に関して、ラニビズマブ月1回投与群に対する非劣性が確認され、安全性も同程度であったことが認められている。海外では、2011年11月に米国で承認されて以降、2012年10月現在、オーストラリア、コロンビアなどで承認されている。

 薬剤使用に際しては、臨床試験において、投与者の49.1%に何らかの副作用が認められていることに十分注意しなければならない。主な副作用は、結膜出血(26.3%)、眼痛(8.7%)、眼圧上昇(4.9%)などであり、重大な副作用としては、眼障害(眼内炎、眼圧上昇、外傷性白内障、網膜出血、網膜色素上皮裂孔、硝子体出血)及び脳卒中が報告されている。