2012年9月28日、ドラベ症候群治療薬のスチリペントール(商品名ディアコミットドライシロップ分包250mg、同ドライシロップ分包500mg、同カプセル250mg)が製造承認を取得した。適応は「クロバザム及びバルプロ酸ナトリウムで十分な効果が得られないDravet症候群患者における間代性発作又は強直間代発作に対する併用療法」であり、用法・用量は「1歳以上の患者には、1日50mg/kgを2〜3回に分割して食事中又は食直後に投与」となっている。

 ドラベ症候群Dravet症候群)は、発症頻度は2万〜4万人に1人と推定される希少疾病で、多くが生後1カ月以内に発症する。小児てんかんの中でも、特に薬剤抵抗性で極めて治療困難であり、「乳児重症ミオクロニーてんかん」とも称されている。

 これまで国内には、同疾患に対する有効な治療薬がなかったこともあり、未承認薬使用問題検討会議(2007年7月)で本薬が取り上げられ、厚生労働省が開発企業を募集した。これに手を挙げたMeiji Seikaファルマが開発・申請を行い、今回の承認に至っている。また2011年3月には、同疾患を対象として希少疾病用医薬品の指定を受けており、2012年1月には、日本小児神経学会と日本てんかん学会からも、早期承認の要望書が出されていた。

 スチリペントールは、芳香族アリルアルコール構造を有する新規の経口抗てんかん薬である。脳の主要な抑制性神経伝達物質である「GABA」のシグナル伝達を増強することで、抗てんかん作用を発揮する。

 具体的に本薬には、1)神経終末より放出されたGABAの取り込み阻害作用、2)GABA分解酵素であるGABAトランスアミナーゼの活性阻害による、脳組織中のGABA濃度増加作用、3)GABA A受容体のシグナル伝達における促進性アロステリック調節作用(GABA A受容体の開口時間を延長させ、GABA A受容体による神経伝達を増強する)──といった効果が確認されている。

 また、スチリペントールには、チトクロームP450アイソザイムに対する阻害作用があり、これに基づいて併用薬の効果が増強されることも、薬効に影響していると考えられている。海外では、2007年1月に欧州で承認されて以降、フランスやドイツなど、主要10カ国で販売されている。

 使用に際しては、承認時までの国内第3相試験及び長期投与試験において、何らかの副作用が91.7%認められていることに注意しなければならない。主な副作用は、傾眠(79.2%)、食欲減退(66.7%)、運動失調(58.3%)、γ-GTP増加(37.5%)、振戦(25.0%)などであり、重大な副作用では、好中球減少症、血小板減少症に注意する必要がある。