2012年9月28日、高脂血症治療薬のオメガ-3脂肪酸エチル(商品名ロトリガ粒状カプセル2g)が製造承認を取得した。適応は「高脂血症」で、1日1回(1回2g)を食直後に服用する。トリグリセリド(TG)値の程度によって1日2回(1回2g)まで増量できる。

 高脂血症の治療では、食事療法とともに、薬物療法が重要な位置を占める。治療薬としては、スタチン系薬(HMG-CoA還元酵素阻害薬)を中心に、フィブラート系薬、エゼチミブ(商品名ゼチーア)、プロブコール(商品名シンレスタール、ロレルコなど)、EPA製剤のイコサペント酸エチル(商品名エパデールなど)などが使用されている。

 このうちイコサペント酸エチルは、肝臓での超低比重リポ蛋白(VLDL)合成を抑制し、血中トリグリセリド値を低下させる。現在臨床使用されているイコサペント酸エチル(EPA-E、商品名:エパデールほか)は、高純度の魚油から精製された日本で開発された薬剤である。

 今回、承認されたロトリガは、イコサペント酸エチルとドコサヘキサエン酸エチル(DHA-E)を含む、複数の成分から構成されたオメガ-3脂肪酸エチルである。魚肉を多く摂取するグリーンランド在住民族に動脈硬化性疾患が少ないという疫学調査結果に基づいて実施されたいくつかの研究結果から、魚肉に多く含まれるイコサペント酸(EPA)やドコサヘキサエン酸(DHA)などのオメガ-3脂肪酸エチルの臨床効果が注目され、本薬の開発に至っている。

 具体的には、オメガ-3脂肪酸エチルには、血清脂質改善作用や血小板凝集抑制作用などの薬理作用が確認されており、非臨床試験でEPAやDHAの反復投与によるTG低下作用が認められている。

 日本での臨床試験では、スタチン系薬の併用の有無にかかわらず、EPAと同等かそれ以上のTG低下効果を示すことが確認されたほか、LDLの粒子サイズを変化させる(小型LDLを減らし大型LDLを増やす)など、脂質の質を改善する作用も認められている。本薬は、海外で1994年ノルウェーにて承認されて以降、2011年8月現在、欧州、米国など世界69カ国以上で承認されている。

 承認時までの臨床試験では、何らかの副作用(臨床検査値異常を含む)が9.6%に確認されている。主な副作用は、下痢(2.5%)であった。また、既存のEPA製剤と同様に血小板凝集抑制作用があることから、出血している患者に対しては禁忌であることに注意が必要である。