2012年6月29日、先端巨大症・下垂体性巨人症治療薬のランレオチド酢酸塩(商品名ソマチュリン皮下注60mg、同皮下注90mg、同皮下注120mg)が製造承認を取得した。適応は「先端巨大症・下垂体性巨人症(外科的処置で効果が不十分な場合又は施行が困難な場合)における成長ホルモン、IGF-I(ソマトメジン-C)分泌過剰状態及び諸症状の改善」であり、用法・用量は「成人90mgを4週間毎に3カ月、深部皮下に投与。その後は患者の病態において60mg、90mg又は120mgを4週毎に投与」となっている。

 先端巨大症および下垂体性巨人症は、主として脳下垂体の腫瘍が原因となり、成長ホルモン(GH)が過剰に分泌される代謝系疾患である。発症時期が成長期以外(骨端閉鎖後)だと、手足や鼻などの肥大を生じて「先端巨大症」となり、成長期(骨端閉鎖前)だと著明な身長の増加を特徴とする「下垂体性巨人症」となる。

 未治療だと、糖尿病や高血圧など様々な合併症が出現しやすく、健常人に比べて、死亡リスクが2〜5倍、平均寿命が約10年短くなるとされる。日本では、潜在患者を含めて約1万人の患者がいると推定され、公費負担の対象となる難病に指定されている。

 先端巨大症および下垂体性巨人症に対する治療としては、原因となっている腫瘍の摘出手術を行うのが一般的であるが、腫瘍が大きく外科的処置が難しい場合や、手術後も成長ホルモンの過剰状態が改善しない場合などは、薬物治療や放射線治療が行われる。

 薬物治療では、成長ホルモンの分泌を抑制するホルモンであるソマトスタチンのアナログ製剤、オクトレオチド酢酸塩(商品名サンドスタチン)が使用されている。さらに、先端巨大症のみに適応を有するGH受容体拮抗薬のペグビソマント(商品名ソマバート)も使用される。

 今回、承認されたソマチュリンは、既存のオクトレオチドと同じソマトスタチンアナログ製剤である。ソマチュリンは皮下注製剤であるが、効果が長期に持続するため、オクトレオチドの筋注製剤と同様に4週間に1回の投与が可能となっている。また既存の製剤と異なり、あらかじめ薬剤が注射器に充填されたプレフィルドシリンジ製剤であるため、投与時の煩雑な薬剤調製が不要である。海外では、2001年7月にフランスで承認されて以降、世界54カ国以上の国と地域で承認されている。

 薬剤使用に際しては、既存のソマトスタチンアナログ製剤と同様、胆道系障害、胃腸障害、徐脈、注射部位反応、過敏症反応などの副作用に十分注意しなければならない。