2012年7月27日、沈降精製百日せきジフテリア破傷風不活化ポリオ混合ワクチン(商品名テトラビック皮下注シリンジ、クアトロバック皮下注シリンジ)が製造承認を取得した。「百日せき、ジフテリア、破傷風及び急性灰白髄炎の予防」が適応であり、初回免疫は3週間以上の間隔を空けて3回、追加免疫では初回免疫後6カ月以上を空けて1回、それぞれ1回0.5mLを皮下注する。

 乳幼児における予防接種では、ジフテリア・百日せき・破傷風の三種混合ワクチン(DPT)のほか、麻疹、風疹、ポリオ、BCGなどのワクチンの定期接種が定められている。このうちポリオは、2000年に世界保健機関(WHO)が日本及び西太平洋地域における野生株によるポリオ根絶宣言をしたが、海外の一部の地域ではいまだにポリオの根絶には至っていないことから、経口生ポリオワクチンの定期接種が実施されていた。

 しかし経口ポリオワクチンの接種では、極めてまれではあるが、ワクチン接種者や2次感染者が、生ポリオワクチンに由来するワクチン関連ポリオ麻痺を発症することが報告されており、その安全性が問題となっていた。そうした事情から、厚生労働省のポリオ麻疹検討小委員会では、海外で既に使用されている不活化ワクチンの導入が提言され、2012年4月には不活化ポリオワクチン(IPV、商品名イモバックスポリオ)が製造承認を取得している。今後、国が定める所定の手続き等を経て、9月1日より定期接種に導入される予定となっている。

 今回、承認されたワクチンは、既存のDPTワクチンに不活化ポリオワクチンを混合した4種(DPT-IPV)混合ワクチンである。混合することで、別々に摂取するよりもワクチン接種回数を減らし、乳幼児や保護者の負担を軽減する。承認時までの臨床試験から、生後3カ月以上90カ月未満の小児に、既存のDPTワクチンと同様のスケジュールで1回0.5mL皮下接種することで、百日せき、ジフテリア、破傷風、ポリオの予防に有効性であり、安全であることが確認されている。

 厚労省では、今回承認された4種混合ワクチンを2012年11月から導入することを目指している。ただし使用に際しては、承認時までの臨床試験(生後3カ月以上90カ月未満の小児)で90.7%に何らかの副反応が認められているので注意する。主な副反応は、注射部位紅斑(69.1%)、注射部位硬結(52.1%)、発熱(46.7%)、注射部位腫脹(30.9%)、気分変化(28.6%)、下痢(25.5%)などであり、重大なものとしては、ショック、アナフィラキシー様症状、血小板減少性紫斑病、脳症、痙攣などに注意が必要である。