2012年6月29日、パーキンソン病治療薬レキップCR錠2mg、同CR錠8mg(一般名:ロピニロール塩酸塩)が製造承認を取得した。適応は「パーキンソン病」で、用法・用量は「1日1回2mgから開始し、2週間目に4mg/日とする。以後経過観察し、必要に応じて1週間以上の間隔で2mg/日ずつ増量する。1日最大量としては16mgを超えないこと」となっている。本剤は、ロピニロールの徐放錠であり、1日3回服用する速効錠(商品名レキップ錠)は、2006年10月より臨床使用されている。

 パーキンソン病は、アルツハイマー病に次いで発症頻度が高い、進行性の神経変性疾患である。振戦、固縮、無動、姿勢反射障害の4症状を特徴とし、中脳の黒質部分が変性して神経伝達物質であるドパミンが減少することで発症する。しかし、それ以上の詳細な発症機序は不明であり、治療では、症状を改善し、生活の質(QOL)を向上させながら、病状の進行を遅らせることに主眼が置かれている。

 パーキンソン病の治療に使用される薬剤としては、レボドパ含有製剤、ドパミンD2受容体作動薬(ドパミンアゴニスト)、モノアミン酸化酵素(MAO-B)阻害薬、抗コリン薬、ドパミン遊離促進薬(アマンタジン塩酸塩)、エピネフリン前駆物質(ドロキシドパ)などがあるが、中でもドパミンアゴニストは、日本神経学会の『パーキンソン病治療ガイドライン』などでも、初期から積極的に用いるべき基礎的薬剤と評価されている。

 ドパミンアゴニストは、その構造から「麦角系」と「非麦角系」に分類されるが、今回、徐放錠が承認されたロピニロールは非麦角系である。ロピニロールは、パーキンソン病の各種症状(患者の日常生活動作、運動機能及び症状の日内変動)の改善効果が高いことなどが評価されているが、1日3回の服用を要する速効錠では、特に長期服用患者の服薬コンプライアンス低下が懸念される。また一般にドパミンアゴニストは、投与開始期の上部消化管の副作用(食欲低下、悪心、嘔吐等)の発現を避けるために、少量ずつ漸増していく必要があり、治療用量域への到達に時間がかかるという問題があった。

 これに対し、今回承認されたロピニロールの徐放錠は、従来よりも1日投与回数が減ることで、長期服用者における服薬コンプライアンスの維持が期待できる。また、速効錠よりも治療用量域への到達時間が短くなるためえ、使い勝手が改善している。さらに有効性に関しては、第3相試験において、2.88時間のoff時間短縮効果があることが認められおり、患者の日常生活動作(ADL)改善に大きく貢献できると期待されている。

 ただし使用に際しては、国内臨床試験で何らかの副作用(臨床検査値異常を含む)が57.7%に認められているので注意する。また、重大な副作用として、突発的睡眠、極度の傾眠、幻覚、妄想、興奮、錯乱,謔妄、悪性症候群に注意が必要である。