2012年6月29日、経口糖尿病治療薬のテネリグリプチン臭化水素酸塩水和物(商品名テネリア錠20mg)が製造承認を取得した。適応は「2型糖尿病で、次のいずれかの治療で十分な効果が得られない場合に限る。(1)食事療法、運動療法のみ、(2)食事療法、運動療法に加えてスルホニルウレア系薬剤を使用、(3)食事療法、運動療法に加えてチアゾリジン系薬剤を使用」であり、用法・用量は「1日1回20mg経口投与、効果不十分な場合には経過を十分観察しながら1日1回40mgまで」となっている。

 テネリグリプチンは、インクレチン分解酵素であるジペプチジルペプチダーゼ-4DPP-4)の選択的阻害薬である。インスリン分泌を促す作用のあるインクレチンを活性化することで、血糖値をコントロールする。DPP-4阻害薬は、これまでにシタグリプチン(商品名ジャヌビア、グラクティブ)、ビルダグリプチン(商品名エクア)、アログリプチン(商品名ネシーナ)、リナグリプチン(商品名トラゼンタ)が発売されており、今回承認されたテネリグリプチンはわが国で5番目のDPP-4阻害薬となる。

 テネリグリプチンの主な特徴としては、(1)1日1回の経口投与で24時間持続した血糖コントロールが可能である、(2)腎排泄率が低く、腎機能が低下した患者にも使いやすい、(3)日本で開発され、日本人でのデータが豊富で、生産も日本で行う“純国産DPP-4阻害薬”である──などが挙げられる。

 なお、他の糖尿病薬と併用については、DPP-4阻害薬の各薬剤ごとに併用可能な薬剤が異なっており、しかもそれぞれが少しずつ適応拡大を続けている最中なので、その都度、添付文書等での確認が必要である。テネリグリプチンは、発売時点では、前述の通り、SU薬およびチアゾリジン系薬との併用が認められている。

 国内の臨床試験では、10.0%で副作用(臨床検査値異常を含む)が報告されている。主な副作用は、低血糖症(3.0%)、便秘(0.9%)等であり、重大な副作用は、腸閉塞や低血糖症状(他の糖尿病薬との併用時)が認められている。特に、他のDPP-4阻害薬ではSU薬との併用で重篤な低血糖症状があらわれ、意識消失を来す症例も報告されているので、十分に注意したい。