2012年6月29日、抗癌剤のアキシチニブ(商品名インライタ錠1mg、同錠5mg)が製造承認を取得した。適応は「根治切除不能または転移性の腎細胞癌」で、用法・用量は「成人、1回5mgを1日2回経口投与。患者の状態により適宜増減するが、1回10mg、1日2回まで」となっている。

 腎細胞癌は、成人の腎臓に発生する悪性腫瘍の90〜95%を占め、国内での有病者数は年間6万7000人といわれている。罹患率および死亡率は、10年あたり2〜3%の割合で上昇し続けている。腎細胞癌の治療では腎摘除術が基本となるが、腫瘍縮小効果を期待して、分子標的薬による術前補助療法も行われる。腎細胞癌に使用される分子標的薬としては、ソラフェニブ(商品名ネクサバール)、スニチニブ(商品名スーテント)、エベロリムス(商品名アフィニトール)、テムシロリムス(商品名トーリセル)がある。

 今回、承認されたアキシチニブは、ソラフェニブやスニチニブと同様に、血管内皮増殖因子受容体(VEGF)を阻害する血管新生抑制薬であるが、特にターゲット部位(VEGF1、2、3)を選択的に阻害する、「第2世代」の分子標的薬といわれている。

 有効性に関しては、海外の転移性腎細胞癌患者を対象としたAXIS試験で、ソラフェニブに比べて無増悪生存期間を有意に延長したことが確認されている。また安全性についても、毒性プロファイルにおいて大きな違いは認められなかった。海外では、このAXIS試験のデータに基づき、進行性腎細胞癌のセカンドラインの薬剤として2012年1月27日に米国で承認され、4月にはスイスでも承認されている。アキシチニブの日本での承認は、世界で3カ国目となる。

 ただし本薬では、承認時までに、重大な副作用として、高血圧・高血圧クリーゼ、動脈血栓塞栓症、静脈血栓塞栓症、出血、消化管穿孔・瘻孔形成、甲状腺機能障害、創傷治癒遅延、可逆性後白質脳症症候群、肝機能障害が認められているので、十分な注意が必要である。これら副作用への対処法については、メーカーが作成している『適正使用ガイド』に用量調節の仕方などが記載されているので、積極的に利用するようにしたい。