2012年6月22日、αβ遮断薬のアルマール(一般名:アロチノロール塩酸塩)の商品名が変更された。名称類似薬との取り違い防止を目的とした変更で、具体的には、アルマール錠5がアロチノロール塩酸塩錠5mg「DSP」に、アルマール錠10がアロチノロール塩酸塩錠10mg「DSP」に変更となる。同日、新しい商品名が薬価収載されたことに伴い、アルマールは2013年3月末で経過措置期間満了となる。新しい名称の製品は、7月中旬から出荷される見込み。

 1985年に承認されたアルマールは、強力なβ遮断作用と、冠循環および血行動態におけるβ遮断作用のデメリットを補填するα遮断作用を併せ持った、αβ遮断薬である。また本薬は1995年に、日本で初めて本態性振戦の適応が認められている。

 今回のアルマールの商品名変更は、経口糖尿病治療薬のアマリール(一般名:グリメピリド)との取り違えによって、死亡例を含む医療事故やヒヤリ・ハット事例が起きていることが、日本医療機能評価機構で公表されたことがきっかけになっている。

 2011年10月末現在、日本医療機能評価機構で公表されている、アルマールとアマリールの主な取り違え事例は次の通りである。

1)医師による間違い。カルテにはアルマールと記載したが、処方時にアマリールと入力。入力画面、処方画面に「糖尿病薬」の注意喚起表示があったが確認不足。
2)医師処方間違い。薬局で、患者との確認から疑義照会を行い発見。
3)薬剤師の取り違え。確認を怠った、技術・手技が未熟だったことによる。
4)医師処方間違い。薬局で、患者との確認から疑義照会を行い発見。

 なおアマリールは、既存のSU薬と同様に膵β細胞からのインスリン分泌促進作用を有しつつ、肝臓、筋肉、脂肪細胞などにおけるインスリン感受性改善作用を併せ持つ、新しい糖尿病治療薬として、1999年に承認された薬剤である。

 今回の商品名変更は、今後、取り間違いなどによる医療事故の防止に、大きく貢献するものと期待される。