2012年4月27日、日本初となる不活化ポリオワクチン(商品名イモバックスポリオ皮下注)が製造承認を取得した。適応は「急性灰白髄炎(ポリオ)の予防」であり、用法・用量は「1回0.5mLずつを3回以上、皮下注射」となっている。

 小児麻痺とも称されるポリオは、ポリオウイルスの感染によって生じる疾患である。ポリオウイルスは、口から体内に入って腸管内で増殖し、まれに重篤な麻痺を引き起こす。感染すると、200人に1人の割合で不可逆性の麻痺が、主として下肢に現れる。麻痺症状を呈した患者の5〜10%は、呼吸に関与する筋肉が動かなくなり死亡する。

 ポリオは5歳未満の小児が罹患することから、世界中で乳幼児を対象としたポリオワクチンの予防接種が実施されている。日本においても、1961年より経口ポリオワクチンの接種が行われており、2000年にはWHO(世界保健機関)から、日本及び西太平洋地域における野生株によるポリオ根絶が宣言された。しかし、海外の一部の地域ではいまだにポリオの根絶には至っていないことから、現在でも経口ポリオワクチンの定期接種が実施されているのが現状である。

 しかし経口ポリオワクチンの接種では、極めてまれではあるが、生ポリオワクチンに由来する「ワクチン関連ポリオ麻痺」が、ワクチン接種者や接種者の周辺に発生することが報告されており、安全性が問題となっていた。こうしたことから「厚生科学審議会 感染症分科会 感染症部会 ポリオ及び麻しんの予防接種に関する検討小委員会」は2003年、海外で既に使用されている不活化ワクチンの導入が必要であると提言していた。

 今回、承認された不活化ポリオワクチンは、3種類のポリオウイルスの病原性を排除して感染力をなくした、単独不活化ワクチンである。海外では、1982年にフランスで発売されて以降、現在まで86カ国で承認されており、ポリオ予防の標準的ワクチンと位置づけられている。

 このポリオ不活性化ワクチンは今後、国が定める所定の手続きを経て、2012年9月1日より定期接種に導入される予定となっている。

 本ワクチンは、承認時までの国内臨床試験で、ワクチンの初回接種(3回)後に出現した主な副反応として、特定注射部位反応では疼痛(8.1%)、紅斑(66.2%)、腫脹(37.8%)が、特定全身反応では37.5℃以上の発熱(14.9%)、傾眠状態(29.7%)、易刺激性(32.4%)などが認められている。また重大な副反応としては、ショック・アナフィラキシー様症状、けいれんに関して注意が喚起されている。