2012年3月30日、抗悪性腫瘍薬のモガムリズマブ(商品名ポテリジオ点滴静注20mg)が製造承認を取得した。適応は「再発又は難治性のCCR4陽性の成人T細胞白血病リンパ腫」、用法・用量は「成人1回量1mg/圓1週間間隔で8回点滴静注」となっている。

 成人T細胞白血病リンパ腫ATL)は、レトロウイルスであるヒトT細胞白血病ウイルス1型(HTLV-1)が発症に関与する末梢性T細胞腫瘍である。ATLは、T細胞リンパ腫の中でも悪性度が高い。その病態から、「急性型」「リンパ腫型」「慢性型」「くすぶり型」に分類されるが、いずれの場合にも積極的な治療が必要となる。

 ATLの治療では、一般にmLSG15療法(ビンクリスチン、シクロホスファミド、ドキソルビシン、プレドニゾロン、ラニムスチン、ビンデシン、エトポシド、カルボプラチン、シタラビン、メトトレキサートを併用)などの多剤併用療法が行われるが、同種造血幹細胞移植以外に、いまだに標準的治療法が確立していないのが現状である。また、再発又は再燃症例に対しては、悪性リンパ腫の治療法に準じた種々の化学療法が実施されるが、治療法は確立していない。

 今回承認されたモガムリズマブは、ATL細胞表面に存在し白血球遊走に関与する「CCケモカイン受容体4(CCR4)」を標的とし、抗体依存性細胞障害(ADCC)活性により抗腫瘍効果を示すヒト化モノクローナル抗体である。CCR4は、ALT患者の約90%に発現していることがこれまでの研究で確認されている。モガムリズマブは、ADCC活性を高めるために、世界で初めてポテリジェントと呼ばれる抗体作成技術が用いられている。

 モガムリズマブは、2010年8月に希少疾患用医薬品に指定され、国内第1相試験を開始して忍容性が確認された。さらに国内第2相試験(CCR4陽性の再発又は再燃のATL患者が対象)で、単独投与での有効性(奏功率50%)及び安全性が確認されている。

 承認時までの国内臨床試験では、全例に何らかの副作用(臨床検査値異常を含む)が認められている。高頻度で認められた副作用は、リンパ球減少(95.3%)、Infusion reaction(86.0%)、発熱(79.1%)、白血球減少(67.4%)など。重大な副作用としては、Infusion reaction(86.0%)、重度の皮膚障害、感染症(4.7%)、B型肝炎ウイルスによる劇症肝炎、肝炎(2.3%)、腫瘍崩壊症候群(2.3%)、重度の血液毒性、肝機能障害について注意が喚起されている。

 なお、本剤の承認と同時に、いわゆるコンパニオン診断薬として、「ポテリジオテストIHC」「同FCM」も承認されている。これらは、組織・細胞中および血球細胞表面上に発現するCCR4タンパクを検出することを目的とする検査薬で、モガムリズマブの適応を判定するために補助的に使用される。