2012年1月18日、骨病変治療薬のデノスマブ(商品名ランマーク皮下注120mg)が製造承認を取得した。適応は「多発性骨髄腫による骨病変及び固形癌骨転移による骨病変」で、用法・用量は「成人、4週間に1回120mg、皮下投与」となっている。

 骨転移は、全世界で150万人以上、日本でも10〜20万人の癌患者に発症しており、前立腺癌、乳癌、肺癌などで多く認められている。骨転移した部位では、腫瘍と骨組織の間の相互作用(悪循環)によって、破骨細胞の活性が亢進し、骨吸収が異常亢進する。このため骨転移を有する進行癌患者では、骨吸収を抑制する作用を持つ、ビスホスホネート製剤のゾレドロン酸水和物(商品名ゾメタ)などが使用される。

 近年、進行癌における骨転移の研究が進み、破骨細胞の活性化には、腫瘍壊死因子(TNF)ファミリーに属するNF-κB活性化受容体(RANK)とそのリガンド(RANKL)とのシグナル伝達が関与していることが明らかになっている。今回承認されたデノスマブは、RANKLと結合し、破骨細胞及びその前駆細胞膜上に発現するRANKへのRANKLの結合を特異的に阻害する、いわゆる分子標的薬(ヒト型抗RANKLモノクローナル抗体)である。RANKL経路を介した破骨細胞の形成、活性、生存を抑制し、骨破壊に起因する病的骨折などの骨関連事象(SRE)の発現を抑制すると考えられている。

 第3相臨床試験(日本が参加した国際共同試験を含む)では、骨転移を有する進行癌患者におけるデノスマブの安全性と、SRE発現抑制に対する有効性が確認されている。海外では2011年12月現在、4つの国または地域(米国、カナダ、豪州、欧州連合:EU)で承認されている。

 第3相臨床試験では、29.1%に何らかの副作用が認められている。主な副作用は、低カルシウム血症(5.7%)、疲労(2.7%)、悪心・関節痛(各2.6%)、顎骨壊死(1.8%)、無気力(1.7%)、下痢(1.6%)などであり、重大な副作用としては、顎骨壊死・顎骨骨髄炎、重篤な皮膚感染症に注意が必要である。また類薬(ビスホスホネート製剤)では、長期使用により大腿骨転子下及び近位大腿骨骨幹部の非定型骨折が報告されているので、注意が必要である。