2012年2月14日、深在性真菌症治療薬のフルコナゾールのドライシロップ製剤(商品名ジフルカンドライシロップ350mg、同ドライシロップ1400mg)が製造承認を取得した。フルコナゾール製剤は、既に1989年からカプセル剤と静注液として、カンジダ属及びクリプトコッカス属による各領域での深在性真菌症治療に使用されているが、今回承認されたのは、そのドライシロップ製剤である。

 フルコナゾール(FLCZ)はアゾール系抗真菌薬の代表的な薬剤であり、同系薬には他にミコナゾール(商品名フロリードほか)、イトラコナゾール(商品名イトリゾールほか)、ホスフルコナゾール(商品名プロジフ)、ボリコナゾール(商品名ブイフェンド)が臨床使用されている。

 フルコナゾールは、カンジダ属やクリプトコッカス属に特に強い抗真菌活性を有し、各臓器・組織への移行も良好である。また、生体内では代謝されにくく、投与量の70%が未変化体として尿中に排泄される。さらに血中半減期が約30時間と長いため、1日1回投与で有効性が発揮される。

 近年、フルコナゾールに対して、「造血幹細胞移植を施行する患者の真菌感染症予防」(日本小児血液学会/日本小児がん学会)や「小児用法・用量」(日本感染症学会/日本小児血液学会/日本小児がん学会)の追加承認を求める声が出てきたことから、「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」で検討された。その後、これらの適応および用法・用量については、2011年に公知申請され、既存の剤形において承認されている。

 一方で、経口抗真菌薬で初めて小児の用法・用量を承認するにあたり、厚生労働省は、カプセル剤の服用が困難な乳幼児や嚥下障害のある患者にも使用できる「新剤形のフルコナゾール」の開発をメーカーに要請。今回のドライシロップ剤の承認に至っている。

 今回、承認されたドライシロップ製剤は、乳幼児でも服用しやすいオレンジ風味となっている。ドライシロップ製剤の承認に当たっては、海外データなどでカプセル剤との生物学的同等性が確認されていることから、承認に当たっての新たな臨床試験は行われていない。

 なお既存製剤では、服用による副作用(臨床検査値異常を含む)が6.37%(カプセル剤)、11.28%(静注液)に認められているので注意したい。また、薬剤使用に際しては、あらかじめ水を加えた状態で患者に渡し、体重換算で算出された1回量を附属のシリンジで服用させることが必要となる。こうした服用方法は、一般的なドライシロップの服用方法と異なることから、患者や患者家族に十分に説明や服薬指導を行わなければならない。