2011年11月28日、C型慢性肝炎治療薬テラプレビル(商品名テラビック錠250mg)が発売された。本薬は、既に9月26日製造承認され、11月25日に薬価収載されている。適応は「血中HCV RNA量が高値の未治療患者、インターフェロン製剤の単独療法又はリバビリンとの併用療法で無効又は再燃となった患者におけるセログループ1(ジェノタイプI(1a)又はII(1b)のC型慢性肝炎患者でのウイルス血症の改善)」であり、用法用量は「ペグインターフェロン アルファ−2b及びリバビリンとの併用療法で1回750mgを1日3回食後投与、投与期間は12週間」となっている。

 C型慢性肝炎の治療目標は、C型肝炎ウイルスHCV)の排除である。治療は、かつてはインターフェロン(IFN:イントロンAなど)単独療法が主流だったが、リバビリン(RBV:レベトール)の登場で、IFN+RBV併用療法が標準治療となった。その後、改良されたIFN製剤としてペグインターフェロン(PEG-IFN:ペグイントロン)が登場し、最近ではPEG-INF+RBV併用療法(48週間)が一般的に行われている。

 しかし、日本人に最も多い「ジェノタイプI型・高ウイルス量」の難治性C型慢性肝炎の患者では、HCV RNA持続陰性化(SVR)率は約50%と低い。また、効果不十分例では治療期間の延長が推奨されているが、その有効性に関するエビデンスは十分には得られていないのが現状である。そうしたことから臨床現場では、今以上に治療効果が高い新たな治療薬の開発・承認が熱望されていた。

 今回、発売となったテラプレビルは、HCVの複製に必須の酵素であるNS3-4A-セリンプロテアーゼを選択的に阻害することで、HCVの増殖を抑制する経口薬剤である。IFNα-2a又はIFNα-2bと併用することで、抗ウイルス作用の相加的な増強を示すことが確認されている。国内の臨床試験では、本薬を含む3剤併用療法(テラプレビル+PEG-IFNα-2b+リバビリン)は、従来の2剤併用療法(PEG-IFNα-2b+リバビリン)に比べて、治療効果の改善と治療期間の短縮が確認されている。さらに、従来の療法で再燃した患者や無効な患者においても有効性が認められている。海外では、2011年5月に米国で承認されている。

 ただし、テラプレビルを含む3剤併用療法は、既存の2剤併用療法よりも副作用発現率が高く、特に皮膚症状については、今までの臨床試験で重篤な事例も複数報告されているので十分な注意が必要である。このことを踏まえて本薬は、承認条件として全例調査が義務づけられており、製品の納入に関しても施設制限などが設けられている。