2010年7月1日、関節リウマチ治療薬のゴリムマブ(商品名シンポニー皮下注50mgシリンジ)が製造承認を取得した。9月12日に薬価収載される見込みである。適応は「既存治療で効果不十分な関節リウマチ(関節の構造的損傷を含む)」で、4週に1回投与する皮下注射剤である。メトトレキサートと併用する場合は1回50mg、併用しない場合は1回100mgを投与する。

 ここ10年ほどで、関節リウマチ(RA)の病態には種々の炎症性サイトカインが深く関与していることが判明し、これらを標的とした薬剤が続々と開発されている。具体的には、抗悪性腫瘍壊死因子(TNF)αモノクローナル抗体製剤などの生物学的製剤である。

 これらの薬剤には、関節リウマチの臨床症状を改善するだけでなく、治療のエンドポイントである「関節破壊の進展抑制」にも効果が認められている。現在、日本において関節リウマチに適応を有する抗TNF-α製剤としては、インフリキシマブ(商品名レミケード)、エタネルセプト(商品名エンブレル)、アダリムマブ(商品名ヒュミラ)があり、ゴリムマブはこれらに続く4番目の製剤となる。

 ゴリムマブは、他の抗TNF-α製剤と同様、(1)可溶性及び膜結合型TNF-αへの結合、(2)TNF-α受容体に結合しているTNF-αの解離促進、(3)可溶性及び膜結合型TNF-αの生物活性の抑制──などの作用を有している。

 ゴリムマブは、薬剤調製が不要なプレフィルドシリンジ製剤であり、しかも4週に1回、皮下投与するだけで済むため、既存の抗TNF-α製剤に比べて、患者の通院の負荷を軽減できることが大きな特徴である。

 関節リウマチ患者を対象とした国内臨床試験においても、ゴリムマブは4週間に1回の皮下投与で、関節リウマチの症状及び徴候の軽減、身体機能改善効果、関節破壊進展抑制効果が認められ、安全性も確認されている。海外においては、2009年4月に米国で、2009年10月に欧州で承認されて以降、2011年6月現在で世界40以上の国と地域で承認されている。

 薬剤の使用に際しては、既存の抗TNF-α製剤と同様に、結核などの重篤な感染症や、多発性硬化症などの脱髄疾患の新たな発現や悪化が認められているので十分注意しなくてはならない。

 承認時までの国内臨床試験では、77.3%に副作用(臨床検査値異常を含む)が認められており、主な副作用は鼻咽頭炎(22.5%)、上気道感染(11.4%)、注射部位紅斑(9.3%)、注射部位反応・咽頭炎(各5.5%)であった。また重大な副作用として、敗血症性ショック、敗血症、肺炎など重篤な感染症、結核、脱髄疾患、重篤な血液疾患、うっ血性心不全、重篤なアレルギー反応、ループス様症候群が報告されている。