2011年7月1日、慢性閉塞性肺疾患COPD)治療薬のインダカテロールマレイン酸塩(商品名オンブレス吸入用カプセル150μg)が製造承認を取得した。適応は「慢性閉塞性肺疾患(慢性気管支炎、肺気腫)の気道閉塞障害に基づく諸症状の緩解」であり、用法・用量は「1回1カプセルを1日1回専用の吸入用器具(ブリーズヘラー)を用いて吸入」となっている。

 慢性閉塞性肺疾患(COPD)は、喫煙習慣を主な原因とする肺の生活習慣病である。疾患は進行性で、息切れなどによって日常生活に支障をきたし、重症になると酸素吸入が必要にる。2005年時点で、世界で2億1000万人が罹患しており、日本でも500万人以上が罹患していると推定されている。

 COPDの治療に関しては、国内外でエビデンスに基づいたガイドラインが発行されており、日本でも2009年に『COPD(慢性閉塞性肺疾患)診断と治療のためのガイドライン第3版』(日本呼吸器学会)が公表されている。いずれのガイドラインでも、薬物治療では気管支拡張薬が中心的な薬剤とされており、中でも作用が長時間持続する抗コリン薬のチオトロピウム吸入製剤(商品名スピリーバ)や、長時間作用型吸入β2刺激薬(LABA)のサルメテロール吸入製剤(商品名セレベント)が多く使用されている。

 インダカテロール吸入製剤も、サルメテロール吸入製剤と同様、長時間作用型吸入β2刺激薬(LABA)に分類される薬剤であるが、サルメテロールが1日2回吸入が基本となるのに対して、インダカテロールでは1日1回投与が可能な点が特徴である。

 海外で実施された臨床試験では、同じ1日1回吸入のチオトロピウムと比較して、呼吸機能(トラフFEV1)を同等以上に改善し、QOL改善効果も有意に高かったことが報告されている。また、1日2回吸入のサルメテロールとの比較では、呼吸機能の改善効果は有意に高く、息切れやQOLの改善などについても有効性が確認されている。海外では、2009年11月に欧州連合(EU)で承認されて以降、2011年4月現在、世界58カ国で承認されている。

 インダカテロール吸入製剤の使用に際しては、適正使用の観点から、専用の吸入用器具(ブリーズヘラー)を用いる使用方法等について、患者に十分な指導を行う必要がある。また、承認時までのCOPD患者を対象とした国内長期臨床試験(300μg投与、承認されている用量は1回150μg)では、21.6%に副作用が認められている。主な副作用は、咳嗽(8.8%)、筋痙縮(2.4%)などである。